CT125・ハンターカブは購入から2年が経った。厳密には、2年1ヵ月が経ち走行距離は8,900kmを超えたところ。以前の通勤快速、PCX125(JF28)が平均して年間3,000km程度だったことを考えると、もはや私のメインバイクの座にあると言っても過言ではないほどに、順調に走行距離を伸ばしている。
ちなみに、我が心のメインバイクたるBMW R100RSのほうは、ガソリン漏れ(2度目)の修理、オイル交換・エレメント交換、オイルパンガスケット交換、ユーザー車検、タイヤ交換とネタが溢れるほどの状況で、リアルな作業は心の底から楽しんでいるものの、ネタがたまりすぎたゆえに執筆意欲が減退中。先々の自身のためにもメモとして残しておきたいのだけど。
閑話休題。CT125・ハンターカブ、4月のある日、出勤しようとしたところ後輪がパンクしていた。正直、山の残りは十分にあり、まだ交換のタイミングには早かったのだけど、せっかくパンク修理をするのなら、タイヤも交換してしまえと、交換に至ったと言うわけ。この時の私は、まさか私の心が、その後幾度となく折れることになるとは、つゆ知らず。
パンク修理とタイヤ交換
タイヤ選び
CT125・ハンターカブでタイヤ交換といえば、もはや定番とも言えるIRC GP-22。私もそのビジュアルに憧れはしたものの、オンロード100%の私にとって、ビジュアルの無骨さというメリット以外、ロードノイズの増大やブロックの捩れによる走行性能の悪化、燃費悪化の懸念など、何ひとつとしてメリットが見出せず、断念。
IRC GP-22 17inch フロント/リア共用 CT125 ハンターカブ
そうなると、オンロード志向のタイヤチョイスはどうかと、こちらも検討。パターンも悪くなかったのだけど、価格がやや高めで躊躇。(BMW R100RSのタイヤ交換も念頭にあり、出費を抑えたかったという裏事情)正直なところ、次回はこれを試してみたいと思っている。
MICHELIN ANAKEE STREET アナキーストリート ハンターカブCT125
色々と調べたところ、IRCの3Rというタイヤはとにかく価格が安くレビューもそこそこ。レトロでちょいダサなパターンも大いに好みだったため、これに決定。CT125・ハンターカブのキャラクターにも似合いそうだ。
IRC 3R フロント/リア バイク ハンターカブCT125
作業準備
正直、タイヤ交換をDIYで行うかどうか悩んだ。と言うのも、ロードバイクに熱中していた頃から、タイヤ交換だけはどうも苦手で、「バッチリOK!」と思えたことがなかったから。ただ、ブログネタになるという邪な思いもあって、DIYで作業を行うことにした。作業にあたって、以下の工具を準備。
タイヤレバー 23点セット バイク タイヤ交換 専用工具 収納袋付き
トルクレンチは、近所のホームセンターで上記と同程度のものを衝動買い。前後のタイヤを外すので、トルク管理はきちんとしようと思い購入。今後の諸々の作業に必要だと、(今更ながら)思い切って購入。
タイヤ交換作業
作業に着手。まあ何とかなるだろうと始めたものの、まさかこんなにも心が折れる思いを繰り返すとは…。今回、前後ともにタイヤを交換するが、後輪はパンクをしていたのでパッチで修理するというプラン。
↑こんな感じでタイヤを取り外し作業を行った。前後同時にタイヤを外してしまうのはどうかと思いながら、フロント荷重になるとまずいので、スイングアームに支えの台を置き、キャリアに工具箱を載せてリア荷重にすることで安定させている。賢明なる読者各位は真似をされませぬよう。
↑こんな感じでタイヤを交換。皆さまに紹介できるような結果にならなかったので、作業の詳細は割愛する。
「心が折れた」と勿体ぶっても仕方がないので、結論を書くと、とにかくタイヤをはめる作業が苦手で、前後ともにチューブを損傷してしまったと言うこと。それも何度も何度も。もう途中から数えるのをやめてしまって覚えていないのだが、前後合わせて5回くらいはやっちまったのではなかろうか。
タイヤレバーでタイヤをはめるときにチューブを挟み込んでいるようなのだが、分かっていながら細心の注意を払ってもやってしまう。元々、パンクしていた後輪のチューブだけでなく、問題のなかったフロントのチューブも損傷してしまった。
今度こそ、と空気を入れて様子を見て、時間が経つと空気が抜けている…と言うことを何度繰り返したことだろう。その度にため息をつきながらやり直すこと複数回。流石に2〜3箇所もパッチで補修すると、こりゃまずいと思うようになり、結局、前後ともに新品チューブを調達し別日に作業する羽目に。届いた新品のチューブにも穴をあけてしまったのだけど…(苦笑)
あまりに同じ失敗を繰り返し、追加で以下の用品を購入。
DUNLOP(ダンロップ) バイク チューブ 2.75:3TR4 134221 適合タイヤサイズ:2.75-17、80/90-17、90/90-17、90/80-17
SODIAL SODIAL(R) バイク自転車のタイヤのタイヤのゴム48のパッチ修理キット
ビードワックスは最初から買っておくべきだった。これのおかげで、最終的にはなんとか作業を終えることができた。
それと、チューブが思いのほか高かったり、Amazonの在庫が少なかったりで、当初パッチでの修理を試みたのだけど、これから先に書くちょっとした不具合を経験し、特にフロント側は潔くチューブ交換をした方が良いと思ったので念のため。
不具合
実は、今回の作業を終えていわゆる「シミー現象」が顕著に現れた。低速でスロットルをオフにした時、明らかにハンドルが左右に振れていて、CT125・ハンターカブの気持ちよさを完全にスポイルしてしまっていた。いや、スポイルどころではなく「気持ちが悪い!」のだ。
もともと、CT125・ハンターカブを購入した時から気にはなっていたのだが、次第に気にならないようになっていた。ところが、今回のタイヤ交換後に、もはや無視できないレベルで症状が悪化したのだ。
実は、タイヤ交換の記事をアップできずにいたのは、この対策に時間がかかったから。以下、いくつかの対策を講じたのでご紹介する。
フロントフォーク突き出し
そもそも、私は大型のリアボックスを装着しているが、タンデムの機会を考慮して車体後方にオフセットして装着している。重量バランス的に、これは極端なリア荷重の要因となり、このことがハンドルの振れを引き起こしている可能性が大きい。
改めて考えると、通勤時に弁当や水筒の入った重い通勤カバンをボックスに入れている時に限って、シミー現象が顕著に現れるような気がする。
ならば、重量物をリアボックスに積載した時のリアの沈み込みに合わせて、フロントフォークを突き出してしまえば、極端なリア荷重(ウイリーの状態に近い)を避けられるのではないかと考えた。
あまり極端に突き出すと、前後の荷重バランスだけでなく、ハンドリングにも影響(突き出し量を増やすとクイックになる)するとのことだったので、7mm程度にとどめておいた。後々の反省だが、7mm程度の変化量は、サスペンションのストロークで相殺されてしまい、リア荷重傾向の改善にならなかったのかもしれない。
結果、シミー現象への改善効果は期待したほど大きくなかった。
改善効果 ★☆☆☆☆
ホイール振れ取り
ロードバイクに夢中だった頃、ホイールの振れ取り作業用に購入したミノウラの振れ取り台。その後も、息子のグラベルロードバイクの振れ取り作業など、たまーに活用している。
今回、CT125・ハンターカブのフロントホイールの振れ取り作業に挑戦。
そして、またまた痛い出費の工具購入。ニップルレンチの購入にあたっては、利用頻度を考えてAmazonで安物を購入しようとも考えたが、レビューがイマイチ。やはり流石のKTCは評判が良い。先々、絶対に利用頻度が高くはないので大いに躊躇ったが、使わなければメルカリで売っ払おうと、思い切って購入。
このあたりで、心がバキバキに折れているため、写真が全くない。ただ、自転車用の振れ取り台でも十分に作業が可能だったし、KTCのニップルレンチは、ニップルをガッチリ固定して、ニップルをなめるような不安は一切なかった。さすが。
ちなみに、ホイールの振れは、絶望するほどの振れはなく許容範囲内ではあったものの、1/4周くらいにわたってゲージとリムが強めに接触する箇所があるなど、ある程度の横振れはあった。これらを慎重に改善。
結果、フロントフォークの突き出し作業以上に効果を体感できたが、それでも尚、ハンドルの振れは解消されなかった。
改善効果 ★★☆☆☆
チューブ交換
ホイールの振れ取り作業は、当然ながらタイヤを外して行った。最初から薄々感じていたのだけど、今回もやはりタイヤをはめる時にチューブに穴を開けてしまった…(もう、自分では2度とやらない…涙)。今回は、躊躇することなく、自身での作業をキッパリと諦め、取り外した前輪を2りんかんに持ち込んでパンク修理を依頼。チューブ代と作業工賃、合わせて4,070円(500ポイント利用して実質3,570円)の出費。
パンク修理(タイヤ交換)にトータルでいくらかかってんだ、と言う話。最初からショップにお願いすればよかった。
何はともあれ、この作業が一番効果を感じられた。やはりフロントチューブをパッチで補修すると、左右にわずかな重量差が生じ、一定の速度域でハンドルの振れを生じさせているようだ。パッチでの補修は、出先での応急処置にとどめておいた方が良さそうだ。
改善効果 ★★★★☆
結果
あの手この手で対策を講じた結果、ハンドルの振れは気にならない程度まで改善されたものの、完全に解消されたわけではない。
思いつく追加の改善策としては、リアボックスの取り付け位置の見直し(前方へ移動またはスライド式に見直し)、リアサスペンションの交換(積載時の沈み込み低減)くらいだが、いずれも出費を伴うため、当分の間はこのまま様子を見てみようと思う。
それにしても、大人気のハンターカブ、ネット上にはあれこれ不具合の解消方法やカスタムに関する情報が溢れかえっているのに、ハンドルの振れに関する情報はほぼ皆無。荷物満載で走るケースも多いはずなのに、一体どうして?私のハンターカブだけなの??
まとめ
いや〜、記事にするまでに2ヶ月以上の時間を要してしまった。その間、何度作業を投げ出したくなったことでしょう(笑)今回の教訓「タイヤは自分で交換するな」です。
さて、IRCの3Rについては、こうした経緯もあって当初、「タイヤ精度が低いんじゃね?」といったネガティブな印象が強かったが、最終的にハンドルの振れはある程度改善され、今では「まあまあ悪くないかな」といった印象に変わりつつある。
ただ、交換後すぐに感じたネガな点もあり、若干の慣れが必要だと感じたので記録しておく。
①トレッド面を触った感じ、コンパウンドが柔らかい印象。フワフワとした乗り心地は悪くないものの、サイドウォールの剛性がやや不足している印象で、コーナーで腰砕け感がある。
②トレッド面のブロックパターンが原因だと思われるが、直進性が高いようで、路面に印字された文字(や記号)の境目に沿うように走った時、ハンドルを取られる(または後輪がグニュっと捩れる)ような挙動をする。
まあ、格安タイヤなので多くを求めてはいけないのだろうけど、もう少しシャキッとした乗り味のほうが良かったかなと感じてる。
それにしても、心がバキバキ、ボキボキに折れはしたけど、何だかんだで一連の作業は楽しめたから、良しとしましょう。