2022年のゴールデンウィーク中は、残念ながらR100RSではあまり走ることができなかったが、スケジュールの合間を縫って軽いメンテナンスを実施できたので、備忘メモとして残しておく。
ガソリン漏れ対策
先日、自宅でマフラーを交換した後にしばらく暖機をしていたところ、ポタポタとガソリンが漏れていることに気づいた。すぐにコックを閉じてエンジン停止。私にとって「ガソリンが漏れる」というのはこれまでに経験したことがない重大インシデント。これはR100RSのオーナーとして経験値を高める良きチャンスだ。
ガソリンが漏れているのは、タンクからキャブレターへ繋がるフューエルホースの接続部分。滲むようにじわじわと漏れ出ている。まずは、情報収集してみたところ「キャブレターのオーバーフロー」が可能性として浮上。フロートが長年の使用により劣化してきちんと浮力が効かず結果的にタンクからの圧力が弱いところに集中して漏れた…という仮説。
数時間を経て、先達の情報を参考に、試しにキャブレターをドライバーの柄でコンコン叩いてみたところ、該当箇所からのガソリン漏れが止まり、近所を試走することができた。30分ほど走ってみたが、ガソリンが漏れ始めることもなく問題解決。
と思ったのだが、まだ解決していなかった。
数日後、妻と久しぶりのツーリングに出かけようと暖機中に再びガソリン漏れが発生。今回は、該当箇所からピューッと吹き出すようにガソリンが漏れていた。この様子を見てフューエルホースの劣化が原因だと確信。改めてフューエルホースを観察すると、明らかに硬化してひび割れが発生していることが分かった。
ちなみにフューエルホースの交換作業に向けて、フューエルホースやキャブレターのガソリンを空にするため、ガソリンコックをオフ(閉)のまましばらくアイドリングしてガス欠状態になるのを待ったのだが、果たしてこれが正しい方法なのだろうか(エンジンに良くないよ!などのアドバイスを頂けると幸い)。
せっかくなので、キャブレターのフロートカップを外してフロートの状態を確認してみたところ、劣化の様子は見られず、割と近い時期にメンテナンスをされていたことが想像できた。前オーナーが細かくメンテナンスをしていた様子が垣間見えた。
Amazonで注文したフューエルホースが到着し、早速作業。古いホースが外しづらかったものの、難しい作業ではなく左右合わせて20分ほどで完了。交換後、暖機からの試走を経てガソリン漏れがないことを確認。これにて、ガソリン漏れは解決したものと思う。ただ、今回調達したフューエルホースは耐久性が気になるところ。
と言うのも、R100RSではフューエルホースに「ハイプレッシャー対応」というものを選択しなければならないらしく、これが選択肢が非常に少ない。近所のナップスにも「ハイプレッシャー対応」というものはなく、店員に聞いても「?」の様子。色々と調べてみると「ハイプレッシャー対応」というのは、つまりホース内に繊維層を有するもののようだ。
本来なら英国のmoto-binsや国内の輸入屋ビーマーなどで安心できる品を調達したいところだが、ゴールデンウィーク中に応急処置でも良いので解決しておきたく、Amazonで翌日配送可能な商品を調達した次第。レビューを見ると「すぐに劣化する」とか「ガソリンホースとして使えない」といったものも目にするので、1週間後の状態を確認してみよう。
紆余曲折はあったものの、自力で解決に至ることができ(多分)大満足。こうして少しずつ経験値を高めていきたい。次はキャブのオーバーホールあたりか。でも、フロートの状態から前オーナーにより丁寧にメンテナンスされていることが想像でき、Oリングなどもそんなに劣化していないのかもしれない。
それにしても、こういうトラブルに出先で見舞われたらどうしたものかと不安が増してしまう。先日、キャンプツーリングに出かけたが、今回のガソリン漏れはその直後に発生したので紙一重だったと言える。
ちなみに、フューエルホース交換後の試走では、これまでにないくらい快調だった。マフラーを純正に交換したこともあり、当初「旧車らしい」と感じていた荒々しさがなくなり、全体的に静かでスムーズな乗り物になったため好印象。将来的に物足りなくなる可能性はあるが、何より暖機時の排気音が静かになり近所への迷惑を気にしなくて良くなったことは何ものにも代え難い効果だ。
エキパイ磨き
当初、エンジン回りのヤレ感を解消しようとエンジン周辺の磨きを行うつもりで作業を始めたのだが、真鍮ブラシだけでは作業が捗らず、然りとて電動ドリル用の細い真鍮ブラシが近所のホームセンターでは手に入らなかったため、手元にあるもので作業可能なエキパイ磨きを行うことにした。
購入時から、ボクサーツインの表情を左右するエキパイのサビ具合は気になっていた。ここをピカピカにできればキリリと男前になるはず。
今回、紙やすり(耐水ペーパー)とピカールにて作業を行なった。荒い番手から少しずつ細かい番手に替えていき、最後にピカールで磨いた。作業後、パーツクリーナーでの脱脂も忘れずに。
ピカール液 300g 真鍮・銅・ステンレス・アルミ・鉄などの金属・プラスチック類の磨き 研磨剤
結果はご覧のとおり。
正直なところ、もう少し追い込める(鏡面に近づける)と思う。気になるのは、噂のメタコンことワコーズのメタルコンパウンドだ。YouTubeの比較動画では、磨き性能ではメタルコンパウンドが頭ひとつ抜けているといった評価を目にした。機会があったら試してみたい。
何気なく始めたエキパイ磨きではあったが、そこそこ(ほどほど)に綺麗になって満足。2022年のゴールデンウィークは終わってしまうが、今シーズンもツーリングやメンテナンスを楽しんでいきたい。