前回のメンテナンス日記1に続いて、ボンネビルT100のメンテナンスを行った。正直なところ、前日のSR400のオイル・フィルタ交換、キャリパー清掃、ブレーキパッド・フルード交換、PCX125のキャリパー清掃、ブレーキフルード交換でヘトヘトだったから、心が折れかけていたものの、家族が揃って外出するということで、退屈しのぎに半ば無理矢理にメンテナンスを実施。
結論というか感想を先に書くと、無理矢理にでもメンテナンスを行なって良かったと思っている。愛車3台の状態を整えることができ、ものすごくスッキリした。バイクのメンテナンスには、自身の浄化作用があるような気さえする。どうせ土日とも雨が降っていたので走りに出かけることもできなかったので、とても良い過ごし方ができたと思う。
エンジンオイル交換
今回の作業で調達したアイテムたちはこちらから参照されたい。
前回、こちらで紹介したとおりボンネビルT100のオイル交換はとても簡単。2箇所からオイルを排出するSR400と比べると、シンプルにバイク下部の1箇所のみからオイルを排出するため、何の工夫も必要ない。フィルタも交換しないから更に楽勝。
今回意識したのは、しっかり暖気してオイルを温め(軟化させ)、しっかり時間をかけて排出するという点。ボンネビルにはサイドスタンドしかないので、最後は車体を直立させたりしながら十分にオイルを排出した。
強いて紹介するなら、このジョウゴ、ものすごく便利。買って良かった。
お分かりいただけるだろうか。エンジンのフィンにジョウゴの端を差し込むと垂直に安定する。オイルジョッキがあれば注げないこともないのだけど、ジョウゴを使えば周りを汚す心配もなく安心して作業ができるのでオススメ。
オイル注入量について、こちらの記事で誤った記載があったようだ。自身の思い違いがあったのか何かを見たのか今となっては確信が持てないが「公式にもオイルフィルター交換時は3.8Lを要すると書かれている」と記載している(ご覧になられている方にはお詫びします)。他のブログによればフィルタ交換時は3.4Lを、オイルのみの交換時は3.2Lを注入するとある。前回、入れ過ぎたのはこうした誤解・誤認があったからかもしれず、今回は慎重にオイルを注入。
まず3.0Lを注入した後にエンジンを始動し2〜3分間アイドリング。エンジン停止後に5分くらい待ってからオイルレベルを確認すると、やや少ない感じだったのでオイルジョッキで100mlを計量のうえ追加注入。再び始動→停止を行ってから確認したのが上の画像のとおり。車体の傾き具合で油面が上下するので私自身は「このくらい」と割り切っている。少し極端に車体を右左に傾けて、油面が中間から上限の間にあれば良いのではないかと思う。
ブレーキフルード交換
さて、ブレーキフルードの交換に着手する。言わずもがなではあるけれど、前後ディスクブレーキのボンネビルT100はSR400と違い前後とも作業が必要となる。
フロントはSR400と同じ作業となる。ただ、SR400はキャリパーが右側についているから作業しやすいのだが、ボンネビルT100はキャリパーが左側についているので少し勝手が違う。ボンネビルT100では、バイクの前方で前輪を足の間に挟むようにしゃがみ右手でブリーダープラグを開け閉めし、左手でブレーキレバーを操作する。まあ、それほど難しい体勢ではない。
こんなに汚れたブレーキフルード↑がこんなに綺麗↓になると本当に気持ちが良い。
続いて後輪側に着手する。前輪側と異なり、後輪側は難所だった。その要因は後輪側キャリパーとブリーダープラグの位置。下の画像のとおり、後輪側キャリパーはマフラーに隠れるような位置に取り付けられている。もうこの時点で不安しかない。
ブリーダープラグがマフラーとスイングアームの間に位置しており、これはマフラーを外す必要があるのかとしばらく思案した。前述のとおり、やや心が折れかけている私は大掛かりな作業は避けたい一心。「何なら後輪はまた後日」という考えもよぎりつつ、どうにか現状のまま作業を進めようと考えた。
ゴムホースは狭いながらもブリーダープラグに接続できた。狭い作業スペースでゴムホースが外れてブレーキフルードを撒き散らさないよう、念のため直径の小さい(細い)ゴムホースを使った。
そしてレンチをマフラーとスイングアームの間に車両左側から差し込んでみるのだが、これではレンチの可動範囲が少なく作業ができない。そこで、レンチを車両右側からホイールの間をとおしてブリーダープラグにアクセスしてみた。車両後方からバイクに覆い被さるようにして右手でレンチをブリーダープラグに当てがい、排出作業の際のレンチ操作は左手で行う。左手はスイングアーム上方からホイール方向に差し込んでレンチを作業をする。
フルードの排出作業は、上述の「車両後方からバイクに覆い被さるよう」な姿勢(上半身をシートに預けるイメージ)で、右手がフットブレーキ、左手がレンチを操作する。いちいち体を起こしてマスタータンクの残量を確認しなければならず少し面倒だったが、作業姿勢を確立してからはスムーズに作業を進めることができた。
作業結果は↓のとおり。
ご覧のとおり綺麗なフルードで満たされたマスタータンクは精神衛生上よろしい。今回は、前後ブレーキキャリパーとブレーキパッドの状態確認は行わなかったので、後日、時間を確保して行いたい。また、クーラントの補充または交換にもチャレンジしたいと思っている。
さて、メンテナンスの翌週、150kmほど走ってみた印象は、エンジンオイル・ブレーキフルードの交換ともに「大差ない」というものだった(涙)。エンジンオイルに関しては、前回も述べたとおり、ほとんど何の違いも感じない。カストロールの「Power1 Racing」にすると体感できる違いがあるのかと改めて思った。前回同様、価格が2倍近いオイルの購入を躊躇してしまったのだが、(恥ずかしながら)年に1回くらいの支出だし、次こそは試してみたいと思う。
ブレーキフルードに関しては、違いを感じないのはある意味で良いことだと思っている。フルードの劣化が顕著に進んでいなかったということだし、作業に致命的な失敗(エア噛み等)もなかったということだから、交換のタイミングとしては最良だったと言える。劇的にフィーリングが向上するのもどうかと思うし、フィーリングが悪化するようでは作業そのものを自身で行うべきではないと思う。
今回、SR400・PCX125・Bonneville T100のメンテナンスを集中的に行うことで、自身のメンテ力を高めることができたし、しばらくは安心して愛車に乗れるため、結果的に大満足の週末となった。