ハンターカブに乗り始めて2回目の冬を迎える。
歳を追うごとに寒さに弱くなっている気がする。これは歳をとって四季の移ろいに敏感になったからなのか、単に筋肉量が減ったからなのか、できれば風情のある前者だと思いたい。
何はともあれ、通勤手段としても大活躍中のハンターカブ。冬支度の第一歩として「手の寒さ」対策に着手することにした。
現状分析
ここ2シーズンはRSタイチの電熱グローブで寒さを凌いできたが、いくつかの課題があるため、まずは冬支度に着手する前に、現状の課題を把握しておきたい。
RSタイチの電熱グローブは、本当に暖かく快適そのもの。手全体を包み込まれる暖かさは何ものにも代え難い。だが、2シーズンをともに過ごしてみて、正直なところ「電熱グローブの利用はこれっきりにしたい」というのが正直なところ。誤解があってはいけないので、そのあたりを解説しておく。
地味に面倒くさい。
RSタイチの電熱グローブは、「モバイルバッテリーによる運用」と「バイクのバッテリーからの給電による運用」の2パターンあるが、モバイルバッテリーによる運用では暖かさが足りないため、現実的にはバイクのバッテリーからの給電による運用の一択になる。
この場合、ウェア内部に通した接続ケーブル(A)と車両側からの配線ケーブル(B)を腰のあたりで接続し、両袖部分でグローブ(C左・C右)と(A)を接続する必要がある。
単に3箇所のコネクターを接続するだけで、聞けばとても簡単なのだが、特に(A)の取り回しが地味に面倒だったのだ。例えば、両袖部分のコネクターが袖の奥に引っ込んで出てこなかったり、反対にコードが袖から長く出過ぎて取り回しに苦労したり。それが嫌だからウェアを着る・脱ぐときには(A)の取り回しに注意しなければならず、小さなストレスが積み重なる。
不具合が多い。
小さな声でつぶやくが「欠陥があるのでは?」と思うほど、全体的に耐久性が低い印象だ。1年目のシーズンが終わる頃に通電しなくなりRSタイチに郵送したところ「接続部分の断線」ということで新品交換となった(保証対象)。
特に(A)と(C左・C右)の接続部分はケーブルが余りがちで、そのためにコネクターの根元部分のコードが極端に折れ曲がるようになってしまい、そういった状態での使用が繰り返されるとケーブルが内部で断線してしまうようだ。
使い方の問題、という側面はあるものの同じことを繰り返さないように気をつけて過ごした2年目のシーズン終了間際にも同様に通電しなくなってしまった。検電器で調べてみたところ、この時に発生した断線はグローブ側だったようで、そうなるとグローブそのものを買い替える必要が生じる。2シーズンくらいでホイホイと買い替えられるような価格ではなく、この時にRSタイチの電熱グローブとの決別を意識した。(もう使わないつもりでコネクターを自分で交換してみようかと思っている)。
まとめ
電熱グローブについてネガティブなことを書いたが、バツグンに暖かく快適という点は強調しておきたい。
誤解のないように補足すると、個人的に思うのは、通勤のようなデイリーユースには向かないということ。例えば、週末のロングツーリングで使う程度なら、コネクターの脱着やケーブルの取り回しもそれほど苦にならないだろうし、利用頻度が低いことによって断線等の不具合も発生しづらいではないかと思う。週末限定のライダーには、絶対的におすすめだ。
一方、通勤用に使うには毎朝・毎晩のコネクターの接続やケーブルの取り回しが面倒であり、利用頻度が高いがゆえに不具合の発生も生じやすく、結果的にコストパフォーマンスが大きく低下する。
さて、以上のことから冬支度の方向性として、「暖かさ」に加えて「ストレスフリー」と「耐久性」をキーワードに対策を講じることとしたい。
冬支度。
さて、無用に長い考察を行ったが、「暖かさ」と「ストレスフリー」・「耐久性」の実現のために、私はハンターカブに「グリップヒーター」と「ナックルガード」を取り付けることにした。
やはり「暖かさ」のためには第一に「熱源」が必要。また「ストレスフリー」と「耐久性」の観点から熱源は車両側に固定されたものがベターだと考え、グリップヒーターを装着することにした。
そして、「暖かさ」のためにはもうひとつ「防風」対策が必要だ。PCX125で使用していたコミネのネオプレーン製ハンドルカバーは風を防ぐことで寒さを和らげてくれた。ただ、このハンドルカバーは「ストレスフリー」という点で手の出し入れに多少のストレスがあること、「耐久性」という点ですぐに色褪せてしまうことがネックだったため、今回はハンターカブの見た目にフィットするナックルガードを選択することにした。
ここまで無用に長い考察編にお付き合いいただき感謝。好き勝手なうんちくが想定外に長くなってしまったので、次回の「実行編」に続くこととしたい。