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BMW R100RS レビュー!

3月12日の納車から1ヵ月半が経ち2,000km弱を走った。市街地の走行から高速道路を使ったロングツーリングまでをひと通り共にした印象を残しておく。

それにしても、YAMAHA XSR900 から BONNEVILLE T100、そこからBMW R100RS という変遷は、ブログ的にどんどんニッチなネタになっていることは必至。いよいよ誰のためにもならないブログになってしまいそう…。何せ1990年代にたった6,081台しか製造されていないバイク。現存する車両は果たしてどれほどか。もはや自分自身の備忘録として記録を残そうと思う。

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走行性能や乗り味について

まずは走行性能や乗り味について、納車から間もない今のうちに備忘メモとして残しておく。

そんなに速くはない。けど十分な走行性能。

そもそもカタログスペックで最大出力が60ps、最大トルクが74Nmと大した数値ではないうえに、製造から30年が経ち10万キロ以上を走ってヤレたバイクだから、全然速くはない。でも、パワー不足を感じるのは追越車線で追い越しをする時や上り坂で加速しようとした時くらいで、それも「あともうひと息!」と感じる程度だから、総じて「程よく手中に収めることができる適度なパワー感」といった感じ。

R100RSの購入にあたって「最新のバイクは30年前と比べてスペックが2倍にも3倍にもなっているけど、それを操る人間のスペック(筋力とか動体視力とか)はこの30年で変化していないのだから、バイクの進化したスペックって活かしきれないだろうな」なんて考えた。このあたりの考え方は人それぞれだけど、少なくともそんな私にとってはヤレたR100RSでさえも十分なスペックだと感じる。むしろこれ以上は怖くて扱い切れない。

一般道では比較的ゴリゴリしたエンジン・排気音で振動もそこそこある。そんなワイルドな表情は旧車感が強くて、乗っていて本当に心地よく楽しい。その一方で、バイパスや高速道路をハイペースで流す時、R100RSはその表情を一変させる。まさに「水を得た魚」といった感じで、高速域になるほど振動が軽減されエンジンがスムーズに回るような印象だ。一般道とバイパス・高速道路では、別の乗り物かのように表情が変わるのだけど、どちらかがネガでもう一方がポジ、といったものではなくその両方ともが魅力的で、乗っていて本当に楽しい。

走行性能については大満足だ。

カウルの効果は絶大!でも音が…。

バイパスや高速道路を走ると、そのカウルの効果が大きいことに気づく。BONNEVILLE T100やSR400のようなネイキッドバイクで感じる風は見事に軽減され、それゆえにスピード感の狂いを感じる。体感的に時速60km/hくらいで巡航している感覚でも、メーターを見ると+20〜30km/hくらいで走っていることがほとんど。ネイキッドバイクで(私の場合)ハンドルにしがみつく高速道路での100km/h巡航もR100RSなら楽勝そのものだ。そのくらいに風防効果が高い。

また、納車された3月から4月ごろにかけては、暖かくなりつつあるもののバイクで走るにはそれなりにウェアを着込んで走る習慣があったが、そうした習慣を見直さなければならないほどに体感温度が違う。ユニクロの暖パンは要らないし、ジャケットも薄手のもので十分だ。

ただ、だからといって「高速、無敵。」といったものではなく、フロントカウルで整流された空気・風がヘルメットを直撃するため、かなりの低周波音がヘルメット内に侵入してくる。速度が上がるほどに音がうるさくなるため、インカムの音量は上げ気味だ。高速道路を長時間走り続けると、その音で疲れを感じる。この点は盲点だった。

独特なポジション。

BONNEVILLE T100やSR400のように、スッと座って手を伸ばした先にハンドルがある直立姿勢とは異なり、R100RSは結構な前傾姿勢になる。事前に「この前傾がキツい・しんどい」といった評価を目にしていて正直少しビビっていたのだけど、意外にも悪くない。

気を抜くと、つい手のひらで上半身の体重を支えがちになり、気付けば手のひらや手首に負担を感じるのだが、意識して背を軽く丸めて体幹で上半身を支え、上肢に無駄な重さをかけないようにすると、これが意外にも長時間の乗車でも疲れを感じにくい。自然とニーグリップにも意識が向く。これってアウトバーンを高速で走り続けるためにBMWが考え抜いた結果なのかと、勝手に納得。

前オーナーがハンドルアップスペーサーを入れていて、ハンドルが2cmほど高くなっているおかげもあると思う。

個人的には、ステップの位置がもう少し後方にあると、もっと自然な乗車姿勢になるのでは?と考えており、バックステップを導入できれば、と考えている。

積載力はさすが。

左右のパニアケースだけでもかなりの荷物が積載できるが、R100RSはシートがフラットで広いため、タンデム部分にタナックスのキャンピングシートバッグ2を簡単に装着でき、これによりかなりの荷物を積載できる。早速、ソロでキャンツーに出かけてみたが、積載力は秀逸。

積載時の動力性能やハンドリングへの悪影響もそれほど感じられず、バイクの素性の良さを感じる。エンジンやパニアが低重心に配置されている点が功を奏しているのだと思う。

旧車ならではの不具合

製造から30年が経つ古いバイク。しかも中古で前オーナーが色々と手を加えていて、本来の乗り味や性能、純正の姿さえも分からない。そんなR100RSを所有するには、旧車なりの覚悟(トラブルを楽しめる心構え)を決めて付き合わなければならないと感じている。

エンストの恐怖。

ようやく「十分な暖気さえすれば大丈夫」ということが分かり安心できるようになってきたが、最初は頻繁にエンストをすることが恐怖でしかなかった。旧車とはこういうものかと。

例えば、暖気中に早めにチョークを戻したり、スロットルを煽ったりすると簡単にエンストしてしまう。走り出してからもしばらくはエンストをすることがあり、最初はいつエンストするかと気が気じゃなかった。

とにかくエンジンがしっかり暖まれば不意にエンストをすることはないのだけど、例えば、ツーリング先で昼食をゆっくり楽しんで「さて出発」となったときにも、エンジンが冷めてしまうと走り出し直後にエンストをしてしまうので、誰かと一緒に走るときにはそういう点で気兼ねのない相手を選ばなければならない。これって当たり前の姿なんだろうか。これが不調なら改善しておきたいものだ。

こういうエンストの恐怖感は、長距離ツーリングの大きな障壁となる。「高速走行中にトンネル内でエンストなんてしたらどうなるんだろう?」とか「キャンプから帰ろうとしたときにエンジンがかからなくなったらどうしよう?」などと考えてしまい不安で仕方がない。

実は、エンストをやたらと恐れるのには訳があって、納車直後にお店を出て自宅に帰る道中、幹線道で何度もエンストをしてしまったのだ。後に、ガス欠が理由だったことが判明(コラコラ、販売店!)したものの、このときに「旧車はエンストする」と自身に刷り込まれてしまったため、この刷り込みが払拭されるまでは、しばらくエンストの恐怖と戦うことになると思う。

オイル消費の不安。

R100RSはオイルをかなり消費するらしい。1,000km走行ごとに1L消費する個体もあるらしく、とにかくオイルは消費するものと考えるのが普通のようだ。

そんなこと、頻繁にオイルレベルゲージで確認をすれば良いだけのことなのだが、中古ゆえの特殊事情がある。

実は、私のR100RSは純正のオイルレベルゲージが取り払われ、ディップスティック型の油温計が装着されているのだ。もちろん純正のオイルレベルゲージは手元にない。最初「こりゃありがたい!得したぜー。ヒーハー!」なんて呑気に考えていたのだが、オイルの適正量を確認することができず、オイルを消費しているのかいないのか、消費しているのならどのくらい消費しているのか確認する術がない。

片道200kmのキャンプツーリングに出かけた際には、それまでの累積で既に1,000km以上走っていたので、それはもう気が気じゃなかった。オイル量は2.5L程度なのに、1,000km走って1Lも消費するのなら2,000kmも走れば無くなるじゃん!

未だにオイル消費問題は、その実態さえも確認できていないのだが、まずはレッドバロンで早めにオイル交換をして、適正量のオイル注入後にディップスティック型の油温計でどの位置にオイル痕が残るのか記録をしておこうと思う。

いつかヤフオクで純正のオイルレベルゲージが出品されていたら、全力で落札しよう。

ガソリン漏れ。

詳細は別の機会に触れるとして、私のR100RSは購入時にSTAINTUNEの社外マフラーが装着されていた。これがとてつもなく野太い排気音だったので、ヤフオクで純正マフラーを手に入れ交換した。

マフラーを交換するとキャブの調整が必要になるのかな?と不安に感じながら、しばらく暖気をしていると、路面に見慣れない水溜りが…。気がつくと、右側キャブレターに続く燃料ホースの接続部からガソリンがタラタラ漏れてるじゃない!

素人の私は、すぐにマフラー交換が理由で抜けが悪くなったことが原因でキャブレターからオーバーフローしたのだ!と思ったのだけど、調べてみるとそういうケースはどうも見当たらない。購入したお店に電話をするも、営業マン曰く「マフラー交換が原因ではないだろう」とのこと。

R100RSのガソリン漏れについては、たくさんのブログやYoutubeで報告されている。原因はいくつか考えられるけど、フロートの不具合(劣化によりガソリンを吸収して浮かなくなったり、微細なゴミが原因で浮かなくなったり)によるオーバーフローという内容を多く目にした。

試しに、右側キャブレターをドライバーの柄でコンコンと叩いてエンジン始動したところ、以降、ガソリン漏れはピタリと止んだ。とは言え不具合は突然訪れるから、時間を見つけてキャブレターの分解(オーバーホール)にチャレンジしてみようと思う。

絶え間ないガタピシ音。

フルカウルの旧車であるR100RSは、常にどこかからガタピシ音がしている。フロントカウルのつなぎ目、シートのどこか、フレームのどこか。それはもう賑やか(笑)

目下の課題は、シートのガタピシ音防止。シート後方の固定が甘くて手で簡単に上下するため、これが走行時の振動でガタガタと不快な音を生じさせているものと思う。原因箇所にスポンジシートを貼り付けるなどして、完璧な対策を講じてみたい。

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と、旧車ならではの不安や不具合を書き出してみた。購入から1ヵ月半でなかなかのペースに感心する(笑)

でも、R100RSと永く付き合っていくためには、R100RSのクセを知り、不具合を楽しむ余裕が必要なんだと思う。実際、想像力を働かせて不具合の原因を探究する作業は楽しいものだ。夜のうちに本やブログで情報を仕込み、翌日に実車と向き合う。たとえ走れなくても、そんな週末を楽しむ姿勢で付き合っていきたい。

ヤフオクが楽しい!

R100RSを購入してからというもの、ヤフオクを徘徊するのが楽しくて仕方がない。

フロントカウルやエキパイ、ホイール、シートなど大概のモノが手に入るから、あれこれと物色する時間がとても楽しい。これまで純正スモークスクリーンや純正マフラーを落札したのだけど、「ああしたい」「こうしたい」を地道に実現できる楽しさがある。

余談ながら、ノーマル高のスモークスクリーンは生産されていないようで、中古市場で価格が高騰していて、こんなに古いバイクのパーツなのに入札で競ったのだから面白い。おかげでR100RT然としていた社外ハイスクリーンから引き締まったスモークスクリーンに換装でき、好みのスタイルに近づいた。こうしてボチボチと時間をかけて好みに近づけていく作業は楽しく、ヤフオクは旧車乗りの味方だと思う。

まとめ

久しぶりに、誰のためともなく長々と書いた。

色々と書いたけど、BMWの名車とされるR100RSは、さすがにバイクとしての完成度が高くて乗り味や走行性能には満足している。そのうえ、古いバイクだからこそ何だかんだと不具合やメンテナンス箇所が発生するから、バイクに乗るだけではなくメンテナンスも楽しめる(やらざるを得ない)。

エンジンの始動性を良くしたいな、フロントカウルの割れをなんとかしたいな、フロントサスペンションが抜けてるような気がするな、エンジンブロックを磨きたいな、ホイールは限定色が格好いいな、メッツラーのレザーテックを履いてみたいな、なんて次から次に課題や目標が湧いてきて、これらを一つずつ克服・達成していこうと思うとワクワクする。

手とお金はそこそこかかるけど、幸いにも車両本体を比較的安く手に入れることができたから、まあボチボチ維持していけるでしょう。

まだ知らぬ完調を目指したいし、本来の得意分野であるロングツーリングもどんどん楽しみたいと思う。

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