CT125・ハンターカブでシフトダウンをするとき、「ポコン」という妙な音がするようになった。
特に信号などで減速しながら1速に入れるときに発生する。走行に大きな支障があるわけではないものの、どうにも気になる音だ。
調べてみると、カブには「クラッチ調整」というメンテナンスがあるらしい。カブヌシ2年生の私にとっては、初めて知る作業だった。
実際にクラッチ調整をしてみたところ、気になっていた異音が解消し、シフトチェンジまで驚くほど滑らかになった。
今回は、クラッチ調整をすることになった経緯から、調整方法、仕組み、作業後の変化まで紹介したい。
CT125のクラッチ調整をした理由
シフトダウン時に「ポコン」という異音が発生
2022年の秋頃から、信号などで減速しながらシフトダウンすると、1速に入るときに「ポコン」と気の抜けたような音がするようになった。
4速で走行中、踵側のシフトペダルを3回踏んで1速に落とすと、
「ガチャン、ガチャン、ポコン」
という具合だ。
最初は「シフトダウンを多用するから、ペダルのバネでもへたってきたのかな?」などと考えていた。
ところが調べてみると、カブにはクラッチの調整機構があり、変速ショックやクラッチの滑りなどが気になる場合に、調整状態を確認する必要があるらしい。
私のCT125では、クラッチが明らかに滑っているとか、変速ショックが極端に大きいといった症状はなかった。
それでも、あの間抜けな「ポコン」という音は地味にストレス。そこで、初めてクラッチ調整を試してみることにした。
CT125のクラッチ調整方法
CT125はクラッチレバーのない変速機構を採用している。
クラッチレバーを操作する必要がないのは便利だが、その分、クラッチの調整状態が変速フィーリングに影響することもある。
必要な工具
- 14mmのレンチ
- マイナスドライバー
また、調整前後の位置を確認するため、マスキングテープとマジックも用意した。
ただし、マスキングテープとマジック配置の変化を記録するために使用したもので、調整そのものに必須ではない。

クラッチ調整の手順
私が今回参考にした調整手順は、以下のとおり。
- ロックナットを緩める
- アジャストスクリューを右に1回転させる
- アジャストスクリューを左に回し、重くなる位置を確認する
- そこから右に1/8回転戻す
- アジャストスクリューが動かないように保持しながら、ロックナットを締める

※これは当時、私が参考にした方法を記録したもの。実際に作業する場合は、車両の型式・年式に対応したホンダの整備資料で、調整方向や締付トルクなどを確認してほしい。調整に不安がある場合は、販売店や整備士への相談をおすすめする。
作業そのものは複雑ではないものの、アジャストスクリューを戻す量が重要になる。
私は作業前の位置に印をつけて、調整によってどの程度位置が変わるのかも確認してみた。
クラッチ調整の仕組み
手順だけを覚えるのではなく、せっかくなので構造や仕組みも理解したい。
調べてみると、クラッチリフターと波形状のプレートの関係を説明した動画がとても分かりやすかった。
私なりの理解では、アジャストスクリューを左に回して重くなる位置を確認するのは、クラッチを操作する機構の遊びを把握するため。
そこから規定量だけ戻すことで、必要なクリアランスを確保するという考え方だ。
遊びが適切でなければ、クラッチの切れ方やつながり方にも影響する可能性がある。
なるほど。仕組みを知ると、単純に見える調整作業にもちゃんと意味があることが分かる。
それにしても、機械って本当に面白い。
実際にクラッチを調整して分かったこと
今回、アジャストスクリューを左に回して重くなる位置を確認したところ、作業前に付けた印から大きく位置が変わった。
この結果から、調整前はクラッチ操作機構の遊びが適切ではなかった可能性があると考えている。
ただし、アジャストスクリューの位置の変化だけで、内部のクリアランスや異音の原因を正確に特定できるわけではない。
シフトペダルの操作とクラッチの切れ方・つながり方には関係があるはずだが、あの「ポコン」という音がどのような仕組みで発生していたのかは、今でもはっきりとは分からない。
クラッチ調整後の変化|異音が解消し、変速が滑らかに
今回のクラッチ調整には、それほど大きな期待をしていなかった。
もともとクラッチが滑っていたわけでも、変速ショックが極端に大きかったわけでもない。
「ポコン」という異音さえ消えれば十分。
ところが、実際に走ってみると思いのほか気持ちの良い結果になった。
まず、気になっていた異音が解消した。
それだけでなく、シフトチェンジがとてもスムーズになり、嫌なショックも少なくなった。
加速感まで強くなったように感じるほどだ。もちろん、エンジンの出力が変わったわけではなく、変速時のつながり方が自然になったことによる感覚的な変化だと思う。
ほんのわずかな違いかもしれないけれど、毎日の通勤で乗っていると、こうした変化はとても気持ちが良い。
クラッチ調整の効果を、想像以上にはっきり体感することができた。
まとめ|CT125のクラッチ調整をしてよかった
今回初めてCT125のクラッチ調整を行った結果、シフトダウン時の「ポコン」という異音が解消し、変速フィーリングも改善した。
もちろん、クラッチ調整ですべての異音や変速不良が解消するわけではない。異音の原因はさまざまで、症状によっては別の点検や修理が必要になる。
それでも、今回の経験を通して、クラッチの調整状態が乗り味に影響することを実感した。
クラッチレバーのないカブだからこそ、こうした基本的なメンテナンスにも目を向けていきたい。
そして、DIYメンテナンスを続けていると、やっぱり良い工具にも憧れてしまう。
レンチやドライバーはすでに手持ちがあるので、なかなか買い替える踏ん切りがつかない。でも、使用頻度の高い基本工具こそ、良いものを長く使うのも悪くないと思う。
これから時間をかけて、少しずつお気に入りの工具を揃えていきたい。