こちらで紹介したとおり、フロントブレーキのタッチがグリスアップによって一時的に改善したのも束の間、あっという間に再びカクカクした気持ちの悪いタッチになってしまった。フロントもリアも、繊細なタッチとは対極にある大味なタッチで、どうにも不快だったのだ。
再びグリスアップすれば改善されたのかもしれないが、何となく新年を迎えるにあたり見た目を変えてみたくて、テールランプのLED化とあわせて作業を行ってみた。
ブレーキレバー交換
アマゾンを物色すると、たくさんの選択肢があるのだが、7年以上経つPCX125に今さら大きな投資をする気はなく、今回は格安のものから選択した。
交換作業は、左右ともに上側のボルトと下側のナットで固定されている。右側(フロント側)はボルトとナットのみの固定であり、薄くグリスを塗って装着するだけ。以上。
左側(リア側)はワイヤを接続する必要があるものの特別難しいことはない。イメージはレバーの先端(グリップエンド側)を車両進行方向にむけてワイヤを接続し、そのまま90度戻すようにすると上手くワイヤがレバーのみぞにはまってくれる。下側のナットの作業スペースが狭くレンチが入りづらいため、その点は要注意だ。
左右の交換作業に要した時間は20分程度だろうか。いずれも簡単な作業だ。
アマゾンのレビューにもあるとおり、左右ともに接続部分の上下のスペースに余裕があるらしく、取付後のガタ(あそび)はある。レバーを握って上下すると気になるのだが、普段の操作ではレバーを下から上に押し上げる動作はないので、私は大して気にならなかった。
ブレーキレバーの交換を終え、試しにエンジンを始動してみることにした。
(以下、私の勘違いによるドタバタ劇が続きます。ブレーキレバーのレビューをご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。)
大いなる勘違い
ん??ん??
いつもと同じようにリア側ブレーキレバーを握ってセルスイッチを押すのだが、エンジンがかからない。
家族との外出を予定していたため気持ちの焦りもあり、この時点で私は大いなる誤解をしてしまった。
「きっと、電熱グローブの利用でバッテリーに負荷をかけてしまい、バッテリーが上がってしまったのだ。なんてこったい!」「そう言えば、仕事納めの日の朝、走行中にふと気づくと電熱グローブのスイッチが切れていたじゃないか!やっぱりバッテリーがヘタってしまっていたのだ!あちゃー。」「年末年始の寒波の影響もダメ押しになったか!?くそー。」
と、この時点では疑うことなくバッテリー交換が必要だと思っていた。
作業当日は2021年1月2日で、2日後には通勤で使わなければならない。家族との外出先で、アマゾンにて交換用のバッテリーを物色するも、どれも配送まで1週間〜10日程度を要するため、さてさてどうしたものかと手短に思案した。
そう言えば、前回のバッテリー交換からそんなに時間が経っていない。ブログの記事にはしていないが、遡ること1年半前の「2019年6月16日」にアマゾンで注文した履歴が残っていた。安物のバッテリーとは言え、こんなに早くに使えなくなるってことは、バッテリーそのものがヘタったというよりも、電気を使い過ぎたことで一時的に過放電になっているだけではないか?と(ド素人は)考えた。
そこで調達したのがこれ↓
そう。充電すれば復活すると目論んだのだ。ここ数年で、PCX125、愛車アルファード、SR400と立て続けにバッテリートラブルに見舞われた身としては、保険としてバッテリー充電器があったら良いなと前から思っていたし、何より価格もPCX125用の格安バッテリーと同じくらい。更には翌日配送で仕事始めにも間に合うじゃないか!
1月3日、予定どおりアマゾンから充電器が到着。
さてさて、早速、PCX125の弱ったバッテリーを充電しよう。
そう言えば、ブログネタにもなるから、以前購入したバッテリーチェッカーで、現状の電圧を確認してみよう。
「13.6V」…………あれ?満充電じゃね??
この時点で、大いなる誤解に気づいた。そう言えば、レバーを交換したんだ。左側レバーの根元にはスイッチが2つあって、ひとつは「ブレーキランプの点灯用」でもうひとつは「エンジン始動用の安全装置」のためのスイッチ(だと思う)。両方とも、小さな突起がバネで押し出されるような構造になっていて、普段はブレーキレバーが壁になって押し出されないようになっている(オフになっている)のだけど、ブレーキレバーを握り込むと突起が押し出される(オンになる)という単純なもの。
確認すると、ブレーキレバー側(写真の青丸箇所)にあるスイッチ(ブレーキランプの点灯用)は軽く握ってもきちんと作動しているようなんだけど、グリップ側(写真の赤丸箇所)にあるスイッチ(エンジン始動用の安全装置)は、ブレーキレバーが純正から変わったことで、レバーをいつも以上にしっかりと強く握り込まないと突起が完全に押し出されずに、エンジンが始動できないというカラクリだ。
つまり、簡単に言ってしまえば、リアブレーキを握らずにエンジンを始動しようとしていたのと同じことが起きていたという訳。案の定、左側レバーを強く握り込むと、エンジンが始動した。
確かに昨日、エンジンを始動しようとした際に、セルが何の反応もしなかったことは気になっていた。以前、PCX125がアイドリングストップから復帰しなくなったときは、弱々しくもセルが作動していたのに、今回は全くのノーリアクションだったのだ。「バッテリーが完全に放電するとこうなるのか?」と考えていたのだが、原因はただの「にぎりが弱い」ことだった。。。
こうして、我が家に到着した「バッテリー充電器」は役目を果たさずして、工具箱に格納されたのであった。
レビュー!
気を取り直して、ブレーキレバーのレビューをお届けする。
見た目は黒でグッと引き締まった印象。純正がやたらと長い間延びした棒状であるのに比べ、交換後はツーフィンガーのショート丈でコンパクトな外観は気に入った。
6段調整は正直期待していなかったし、1〜3あたりはグリップに近すぎて使うことはなさそうだが、それでも4〜6あたりで微調整ができるのは、何気に良い。なくても良いけどあると便利な機構って感じだ。
そして肝心の使用感は、期待以上に良い!満足度「★★★★☆」って感じだろうか。ブレーキタッチのフィーリングが格段に改善されたのだ。前後ともににぎり始めからジワッと無段階にブレーキが効く感じで非常に良い感じだ。キャリパーを交換した訳でもなく、フルードやワイヤを交換した訳でもないので、そもそもそんなに効果があるとは思えないが、いやはやブレーキフィールが良いと走ることがこんなにも楽しいのか!と感じるほどに、私にとっては大きな効果が感じられた。
指先の触れる部分が幅広になったのも、感覚の向上に貢献しているように思う。純正は、ある意味で万人向けのラウンド形状で、どこを握っても良いように設計されている。交換後のものは握り面が幅広でスクエア形状なので、グリップが効いて操作しやすい。
「短くなるので重くなる」というレビューを目にしたが、当然ながら純正より短くなっているから、それぞれ末端を握った時の重さは異なる(交換後のショート丈の方が重くなる)はずだ。しかし、支点からの距離が同じならば握りの重さは同じはずだ。私は、純正と握る部分が変わらなかったらしく、重さの変化を感じることはなかった。純正で外側を握っていた人が、交換後のレバーで強制的に内側を握らされるようになると、重さを感じるのかもしれない。
商品は立派な化粧箱に入って届くので、安心感がある。なんだか高級な商品を購入した気分にすらなる(言い過ぎ?)。
わずか4,000円足らずのブレーキレバーでこんなに満足できるとは思わなかった。ボニーもレバーを交換してみようかなぁ(笑)