以前、バッテリー上がりの記事を書いたことがある我が家の愛車、アルファード。2015年11月に購入してから4年3ヶ月が経つ。巷に溢れかえった情報ではあるけど、今回はアルファードの紹介をしてみたい。
2015年11月、3人目の子どもが生まれたのを機に、たった1年半しか乗っていないマツダのCX-5から乗り換えた。
余談ながら、CX-5はクリーンディーゼルで鬼トルク(ほんの2,000回転で最大トルク45.9kg-mを発生!)による爽快な加速は運転していて楽しく、さらに維持費も安くて気に入っていたのだけど、車体サイズのわりに室内空間が狭く家族が増えて手狭になってしまったという訳。
我が家のアルファードは30系前期のXというベースグレード。急な買い替えということもあり、金銭面の条件もあったのだけど、当時はシートレイアウトの面で8人乗りのほうが魅力だったため、Xグレード以外の選択肢はなかった。
8人乗りを選んだ理由は次の3つ。
◯子どもの世話がしやすい!?
1つ目は、生まれたての我が子の世話をするときにセカンドシートがベンチシートの方が良いと思ったから。妻がチャイルドシートのすぐそばに座ることができるし、出先でオムツを変えるときに子どもをシートに寝かせることもできる。その点、セパレートシートの7人乗りよりも、利便性が高いと考えた。
◯荷室がとっても広い!
2つ目は、8人乗りはセカンドシートの座面をチップアップすると最大2,025mmの荷室を確保できるという点。購入当時、ロードバイクに夢中だったこともあり、自転車を積載して旅ができると目論んだ。
◯安全面を考慮!?
3つ目は、サードシートを常用することに抵抗があったこと。3人目の子どもが生まれ5人家族になった我が家。7人乗りのシートレイアウトではサードシートを常用することになるのだが、如何に室内空間にゆとりのあるアルファードとはいえ、サードシートはリアゲートにかなり近い位置に着座することになる。考え過ぎと思われるかもしれないが、万が一追突された時を想定すると、小さい子どもたちにサードシートを常用させることはリスクがあると感じ、日常的にはセカンドシートまでに家族5人が収まるほうがベターだと判断した。
価格帯は、ノアやヴォクシーの最上級グレードと競合するが、やはりアルファードの室内空間の広さは圧倒的だった。ベースグレードとは言え、基本設計は上位グレードと同じでコストパフォーマンスは高いと思う。パワートレインは上位グレードと同じだし、8人乗りのシートレイアウトは使い勝手も良い。燃費が今の時代としてはイマイチ(リッターあたり10kmは走らない)な点を除けば、概ね満足している。
購入から4年2ヶ月が経ち、走行距離は42,000kmを超えた。良い点、悪い点をレビューしてみたい。
○高速道路で抜群の安定感
背の高い車ではあるが、高速道路で横風を受けて怖い思いをすることもなく、ビシッと狙いどおりのラインをトレースできる。以前乗っていたアウディA4は地面に貼りつくような感覚さえあったが、さすがにそこまで行かずとも、車重があるからか高速道路での安定感は抜群だと言える。高速道路を利用した長距離移動は本当に快適。静粛性の高さも寄与していると思う。
◯2.5Lで必要十分な走行性能
車両重量が2トン近いアルファードで、2.5Lのエンジンスペック(182ps / 24.0kg-m)は数字上やや心許ない印象はあるが、長距離・近距離の移動で大きな不満はない。信号ダッシュはさすがに遅く、登り坂や追い越し車線で少々下品にエンジンが唸りをあげることはあるが、アクセルを踏み込めば必要な加速はするので大きな不満にはならない。むしろCVTが良くできているのか、良くぞこれだけ大柄なボディで普通に走るものだと感心する。余談ながら3.5Lエンジンは相当なハイスペックらしく、これを知ってしまうとさすがに2.5Lは大きく見劣りしてしまうのだろう。しかし、燃費やハイオク仕様であることは財布に厳しい。まさに「知らぬが仏」だ。
○積載力、室内空間の広さは抜群
室内空間の広さは文句のつけようがない。セカンドシートの足元は相当な余裕があるし、サードシートも大人でも十分な足元スペースが確保されている。車幅も広く、運転席と助手席も十分なパーソナルスペースが確保され快適そのもの。8人乗りレイアウトは、サードシートを両側とも跳ね上げると広大な荷室を確保でき、キャンプ道具を満載しても家族5人が快適に移動できる。
一度、家族5人で車中泊に挑戦したのだが、さすがに窮屈ではあったものの何とか朝を迎えることができた。車内高に余裕があるので、ベッドキットなどをうまく活用すれば、もっと快適に家族5人が就寝できると思う。
購入時、セカンドシートをチルトアップして自転車をそのまま積載することを想定したのだが、これについてはあまり活躍していない。と言うのも、自転車を積載するシチュエーションで、2列目の使用が必要となる(つまり家族が乗車する)ケースが多く、どっちみち自転車の前輪を外さざるを得ない。そもそも、前輪を外さずに横揺れする車内に自転車を固定するのは至難の技だ。ただ、家族でゲレンデに出掛けたときに、セカンドシートをチルトアップして生まれた空間にシートを敷いて家族5人で食事をするという使い方はできたので、何かと便利な機能ではある。
○外観も悪くない
当初、フロント周りが妙にイカツイ外観で気恥ずかしさがあったが、押出しの強いグリル周辺のデザインが他メーカーも含めて一般的になりつつあり、今ではむしろ気に入っている。前期モデルに関していえば、私はノーマルボディのフロントデザインがシンプルで好きだ。ただ、後述するが、Xグレードの純正ホイールは16インチであまりに貧相に感じられ車格に合わないため、私は純正の17インチアルミホイールを装着している。見る人が見れば「グレード詐称」と笑われてしまうかもしれないが、純正サイズなので乗り心地を損ねることもなく、私自身は見た目もそこそこ満足している。
◯16インチの純正ホイールは小さすぎる!
前述のとおり、Xグレードの純正ホイールは16インチで車体の大きさに不釣り合いなほど小さい。空気量が多く確保されるため、乗り心地は良いのかもしれないが、やはりフワフワした感覚があり、見た目も残念な気持ちになる。納車直後にアップガレージで、ヨコハマのブルーアースが装着された新車外しの17インチ純正ホイールを購入し取り付けている。足回りをカスタムする場合、今では21インチが一般的になりつつあるようで、17インチでも小さいくらいだが、私は純正然とした見た目に満足している。
ただ、16インチの純正ホイールにスタッドレスタイヤを履かせているので、毎年冬季の4ヶ月間は残念な見た目になる(涙)。
○リアゲートが手動で重い!
大柄な車体ゆえにリアゲートを閉めるときには、高い位置まで手を伸ばし、そこから「よいしょっ!」と重いドアを一気に引き下ろさなければならない。これが地味に面倒。妻がリアゲートを一生懸命に開け閉めする姿を見ると、申し訳なさすら感じる。半ドア状態まで閉めてしまえばイージークローザーが機能してきちんとロックするのだが、やはり上位グレードで標準となっている電動リアゲートには魅力を感じてしまう。ベースグレードにも電動リアゲートをオプションで装着できたら良いのにと思う。
○内装がチープ!?
これまで内装が黒やグレーの車に乗ることが多く、フラクセン(ベージュ)の内装は明るく清潔感があり新鮮に感じた。ホコリも目立たず、子ども連れにありがちな泥や砂の汚れも目立たないからファミリーカーとしては、こちらの方が使い勝手が良いとも思う。
ただ、インパネ周りに多用されているブラウンでツヤツヤの木目調パネルは気に入らない。ひと昔前の高級車では一般的だったのかもしれないが、今どき欧州車や国産高級車でもこんな露骨な木目調パネルは見当たらないのではないだろうか。トヨタがなぜ、このような仕様にしているのか不思議でならない。Xグレードを買わせない悪意があるのでは?と邪推すらしてしまうほど、私の好みではない。
また、シートはフラクセン(ベージュ)なのにドアやピラーのプラスチック製の内張は黒く、ベージュと黒のコントラストは統一感がなく好みではない。
色々と気に入らない部分を書いたが、車そのものの完成度は高く、軽く500万円を超える上位グレードがよく売れているのは分かる気がする。不満点は全て私が選んだグレードに起因するもので、上位グレードを購入すれば、上で挙げた不満点は全て解消されるのだから、文句を言えるはずもない。
市街地を走っていても、高速道路で遠出をしても機械としての出来の良さは感じられるし、「広さは正義」だと言えるほどに広大な室内空間を魅力に感じている。十分なスペースがあるからこそ色々な荷物を積んでアクティブに遊べるし、家族も快適に過ごすことができる。不満な点もあるがアルファードを本当に気に入っている。
突如としてアルファードの紹介記事を書いたのには訳があるのだが、その話はまた別の機会に。
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