BMW R100RS エンジン始動不具合!

BMW R100RS
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※この記事は2024年9月に書きかけたまま放置していたもの。2025年3月、仕上げて投稿する。

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前回、「迷い」と題して投稿したが、バイクを乗り換えるにはエネルギーがいるし、何よりわずかな小遣いをどう工面するかという問題にぶち当たる。さらに、色々と思案する中で、以前XSR900から乗り換えた時にも感じたように、やはり現代のバイクは私の好みと技量に対してオーバースペックだと感じる。

迷い。
長らく更新をサボっていたところ、実に4ヶ月もの間、更新していなかった。この間、社内で人事異動があってこれまでになく多忙を極めたこともあって、なかなか気が向かなかったのだけど、何より以下の一大プロジェクトを終え、ほんの束の間、R100RSの心...

ここ数ヶ月、R100RSに乗れていないためすっかり忘れつつあるが、空冷ボクサーツインの枯れたサウンド、走行フィールを思い出すとうずうずする。なんだかんだ言って、やっぱりR100RSが好きなんだと改めて気づく。

そんなこんなで、乗り換えなどと血迷ったことはひとまず忘れて、愛機の復活に着手することにした。

現状確認

久しぶりにセルを回してみると、バッテリーは弱っているものの、セルモーターは回る。前回は、うんともすんとも言わなくなったような気がするが…。で、セルモーターは回るのだけど、明らかにモーターだけがヒューンと音を立てて回っており、クランキングしていない。

調べたところ、ソレノイドが故障すると、セルモーターのギアが飛び出さず、フライホイールに動力が伝わらないようだ。それに違いない!負担は大きいがエンデュララストのセルモーターを購入しようか…と考えたが…過去にも不具合箇所をきちんと特定しないまま何度も無駄な買い物をした経験を踏まえ、今回は冷静に作業を進めることにした。(基本的に、限られた週末の機会にDIYをするので、少しでも早期に直したいとの思いが先行し、つい当てずっぽうで早め早めにパーツを手配してしまいがち)

作業開始

さて、セルモーターを取り外そう。そのために、ガソリンタンク、サイドカバー、エアクリーナーボックスを取り外していく。何度やっても、エアクリーナーボックスは取り外しづらいとつくづく思う。バッテリーのマイナス端子を外し、久しぶりにセルモーターカバーをご開帳。ここまでの所要時間は40〜50分程度。

セルモーターの取り外しは、一つの難所だ。セルモーターを固定している13mmのボルト(車両後方側)が狭いスペースにあるため、通常の工具では作業が進まない。ヘッドのコンパクトなラチェットが必要なため、ここで作業を一時中断。翌日、ホームセンターで工具を調達。本来なら、KTCで揃えたいところだが、今回は支出を抑えたく、お手頃価格なSK-11の「SRH2CS」というコンパクトサイズのラチェットを調達。KTCのソケットは9.5sqで揃えているのだが、今回は支出抑制を最優先し6.35sqのラチェットと13mmのソケット単体(TONE)を購入した。

ここで備忘録。車両後方から見て、右側のボルトはあっさり外れた(そもそも右側はスペースに少しゆとりがある)が、左側のボルトはナット(車両前方側)が共回りしてしまい、外すのに手こずった。ナット側にレンチが入らず、ペンチでも上手く掴めない。あれこれ試行錯誤しながら、最終的にはナットとセルモーター本体のわずかな隙間にマイナスドライバーを差し込み、ナットを強制ロックしてボルトを緩める(外す)ことに成功した。

セルモーターと電源ケーブルを外すと、ようやくセルモーターを車両から取り外せる。過去に修理歴があるのかどうか、セルモーターに型式などの表記がなく分からないが、周囲の塗装の一部がパリパリに剥がれている。

セルモーター検査

早速、バッテリーと接続し、動作確認を行う。ブースターケーブルを使ってバッテリーのプラス端子とセルモーターの電源接続箇所、バッテリーのマイナス端子とセルモーターのカバーを繋ぐ。そして、ソレノイドから出ているコードをセルモーターの電源接続箇所に触れさせる。するとどうだろう、勢いよくモーターが駆動してギアが飛び出すではないか。思っていたのと違う結果になり、しばし思考停止。

どうやら幸いにもセルモーターに不具合はないようだ。

こうなれば、少々面倒だがもう一度組み付けて症状を確認するしかない。逆の手順でセルモーターの取り付けを行う。時間の都合もあって、エアクリーナーボックス、ガソリンタンクは後日取り付けることにした。さて、バッテリーのマイナス端子を接続して、キーON、セルを回してみると…クランキングする…。

ということは、ガソリンが供給されればエンジン始動するということになる。

念のため、バッテリーを充電して次週の作業に備えた。(いつまで経っても充電が100%にならず、一旦充電器のケーブルを外して再度接続すると、あっさり「100%」と表示される…何か変?)

考察

分からないなりに考察。前回エンジン始動時に不具合が生じた時、はじめにガガガッと音がして、それからモーターが空回りし始め、最後には反応がなくなった(はず)。

あのガガガッという音は、セルモーターとフライホイールの噛み合わせに不具合(ズレ)が生じたのでは?しかしそんなことが起こるのだろうか?だとしたら、ギアの摩耗などが起きている可能性もあり、それならば、また同じようなことが起きるかもしれない…。

と、この時点の素人の考察はアテにならないので次へ進もう。

組み上げと試走

次の週末、満を持して組み上げた。

セルモーターのピニオンギアとフライホイールにホームセンターで購入したウレアグリスを塗っていく。ギアを5速に入れた状態で後輪をコキコキ回すとフライホイールが少しずつ回転するので、ギアにちまちまと塗布していく。

セルモーターの固定、ブローバイガスのホース取り付け、電源コード接続、セルモーターカバー(閉じる)、エアクリーナー周辺、バッテリーマイナス端子、ガソリンタンクの順に作業を進める。ブローバイガスのホースと電源コードは干渉するので、先にブローバイガスのホースを固定したほうが良い。

さて、いよいよ問題解決か!セルを回すと、何やら元気のない感じがしながらも何度か試して、ようやくエンジン始動。近所を軽く試走してみた。久しぶりすぎて、本来の調子なのかどうか分からないが、まあまあ気持ちよく走れた。カウル周辺から盛大にビビリ音がしていたのは、帰宅後にカウルを固定するボルトの脱落と判明し、対策。

なんとなく気になったのは、電圧がもう少し高くて良いような…?ジェネレータを交換した直後には、アイドリングで13V、走り始めると14V以上を指していたはずなのに、走行中でも14V未満だったのは気のせいだろうか?

問題再び

と、中一日を挟んでもう少ししっかり走ろうと、9月半ばとは思えない暑さに閉口しながら朝から準備。そして、エンジン始動…。ところが…

か、か、ら、な、い。

セルが弱々しく回るだけ。とてもフライホイールを回し切るだけの力はない。あれれ?と思いバッテリーの電圧を測ってみると11Vに満たない。ここまであれこれやってきたが、セルモーターに不具合がある訳でもなく、たまたまギアの噛み合わせに不具合が生じたのかな?と考えていたが、ここへきて初めて「バッテリーの劣化」を疑った。1週間前に充電し、クランキングすることを確認。それから1週間が経った一昨日、少し弱々しくもエンジン始動に成功し、20km弱の試走を終えた。つまり試走により多少は充電されたはずなのに、その2日後に11Vに満たないということは、バッテリーが劣化していること。どうして今まで気づかなかったのか。

解決

バイクを購入した際、新品に交換しているが、それから2年半が経ち、走行距離は3,200km程度に止まる。バッテリー上がり(うち何度かは充電器で充電できないくらいの完全放電)を何度もやっていることを考えれば、寿命が来ても不思議ではない。

近所のホームセンターを巡って、パナソニックの車載用バッテリーを購入。

自宅でバッテリーを交換したところ、あっさり始動。近所を走ってみたら、電圧は一昨日の試走時よりも明らかに高く、走行中には14V以上になっている。紆余曲折をしながらも、どうやらバッテリーが劣化し弱っていたことが今回の原因と思われる。今回のトラブルが発生した時、ガガガッと音がしたのは、バッテリーが弱ってピニオンギアがしっかり飛び出さずにフライホイールと接触したのが原因ではないだろうか。知らんけど。

今回、慎重に取り組んだおかげで、時間はかかったものの、支出は最低限の新品バッテリーの購入だけで済んだので良しとしよう。

追加対策

目先の問題は解決したが、バイクの保管環境を変えない限り少し乗車期間が空くと、またバッテリーが上がってしまい、同じようなトラブルが発生する。そこで今回、車両保管時には常時充電することにしてみた。

上記のバッテリー充電器を購入し、保管時には常時充電をしている。付属のカプラー付ケーブルをバッテリー端子に接続しておけば、充電器との接続はワンタッチ。走り始めも、帰宅時もスマートに始動・保管ができる。2025年3月時点で購入から5カ月間が経つが、それからは1カ月程度乗らないことがあっても、時計もきちんと動いているし、エンジン始動も全く問題ない。エンジンの始動不具合によるストレスからも解消され、バッテリーの寿命も長くなると思えば安いものだ。

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