今回は「HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3ED PLM WR RE」についてレビューしてみたい。
35mm換算で焦点距離84.5~460mm相当の中望遠から超望遠域までカバーする望遠ズーム。これまで、このレンズを使っていて「もう少し望遠側が欲しい」と思ったことはない。それくらい十分な望遠レンズ。
主な用途は、子供の運動会やソフトボールの試合の撮影。ベンチ周辺から外野の選手の様子までバッチリ写すことができる。更に、解像度も高く、トリミングをしても画像の劣化が少ないため、ファインダーいっぱいまで映らなくても後から何とでもなる安心感がある。
ここまで書いて作例をあげようと思ったのだが、いくら探しても子どもたちやソフトボールのチームメイトたちの写真ばかりで、ここで紹介できるような写真が見当たらない。
唯一見つけた写真はこちら。
これは満月の写真を撮ってトリミングしたもの。月の表面の様子も比較的はっきりと写っている。
紹介できる作例が少ないので、ここでは、使い勝手などについて触れてみたい。
①オートフォーカス
これは、私が所有しているどのレンズよりも速くて確実。リコーホームページには以下のとおり書かれている。
高速AFリアフォーカス方式により93.6%軽量化※2したフォーカスレンズをリードスクリュー直結のPLM(Pulse Motor)で駆動することで、現行レンズ※2に対して広角側で約8.3倍、望遠側で約1.7倍の高速化※3と静音化を実現しました。
※2:当社レンズ「HD PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED WR」に対して
確かに、もの凄く静か。ほとんどモーターの音がしない。他のレンズだと「ギュインッ、ギュインッ」と騒がしいのだが、ここはやはりPulse Motorの素晴らしさのだろう。
ただし、腕の問題も大いにあるものの、やはり動体には必ずしも強くなく、ソフトボールの試合中に、例えば盗塁の場面をコンティニュアンスモードで連写撮影すると、必ず何枚かはピンボケの写真が撮れてしまう。機材に頼ることなく、もっと上手くなりたいものだ。
②サイズ
収納時は沈胴構造のおかげで全長89mmとコンパクト。ただし、300mmの望遠側だと230mmを超えるため、想像以上に長くなる。下の画像のとおり、沈胴構造ゆえにボディ側から徐々に細くなり、フードをつけていると先が太くなるため何ともかんとも妙な姿になってしまう。
なお、収納された状態から撮影をするためには、ボタンを押しながら55mmの位置まで(正味2cmほど)ズームリングを回す必要があり、急いでいる時に厄介だと感じることもある。ただし、ロック機能がなければ、カメラを肩にかけて歩いているうちにレンズが重力に逆らえずビヨーンと伸びてしまうことがあるため、必要な機能なのだろう。
③不具合
購入から4ヶ月ほど経った頃、オートフォーカスでピントが合わなくなる不具合が生じた。ついでに、関係があるのかどうか分からないが、上述のロック機能のボタンのクリック感が曖昧にもなった。
メーカー保証の対象であったため、無料で修理をしてもらえたので良かったが、もしも、子どもたちの運動会シーズンなど、真に必要とする時に手元にないといった事態になれば、文句も言いたくなるだろう。
④総評
ここ最近はFA31mmF1.8AL Limitedよりも装着している時間が長いほど気に入っている。購入価格を考慮すると、こちらのレンズの方が満足度は高いかもしれない。とにかく、最新のレンズだけにシャープで気持ちの良い写真が撮れる。色もこってりとしており、私の好みだ。
ペンタックスユーザーで望遠を必要としている人にとっては、マストアイテムと言っても過言ではないのではないだろうか?(いや、お金があれば上には上があることは承知していますけど…)
費用対効果という点で、この値段でこれだけの性能を発揮してくれれば、何もいうことは無い。価格.comでの評判がすこぶる良いことにも頷ける。
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