レビュー(残念なところ編)で「走りに余裕がない」と評したのだが、個人的にマフラー交換やハイカムの導入で対策可能だと思っているというのは、既に述べたとおり。先日コメントで、FIコントローラーも合わせて効果があったとの情報をいただいた(ありがとうございました!)。
対策に向けた事前準備として、今回、タコメーターを導入してみた。ハンターカブの走りを可視化してみようというのが狙い。
メーター選び。
当初、OPMIDのマルチメーターならば欲しい機能(タコメーター・シフトポジション・時計など)が全部入っており、スマートで良いなと思っていたのだが、何せ人気で品薄なために入手が困難。それに私にとっては、ちょっと高い。多機能で本当に魅力的なのだけど。無条件に選ぶならこれかな。
他にもSP武川のスーパーマルチTFTメーターなんて文句のつけようがないほど多機能で、TFTゆえの美しい液晶表示にはホレボレするほどだ。とはいえ、正直なところメーターにそこまでお金をかけるのはちょっと無理というのが正直なところだ。
そして、現実的な選択として選んだのはこちら。
OPMIDやSP武川と比べると対照的なほどにシンプル。ほぼ単一機能と言っていい。でも、専用設計らしくコクピットへの収まりは抜群で、2眼のアナログメーターを好む私にはストライクのデザインだ。控えめに小ぶりで、アシンメトリーな仕上がりも悪くない。
こちらも人気でなかなか手に入らないが、偶然にも私はすぐに入手できた。ネットショップによっては2022年1月の納品というところもあるほど。
取り付け作業
それでは取り付け作業を詳細に説明する。
内容物確認
①タコメーター本体②メーターステー③電源取出ハーネス(赤と黒のコード)④信号取出ハーネス(黄色のコード)のほかに、①の中に写っているビニル袋にはボルトやワッシャが入っており、工具さえあれば必要な部品は揃っている。
ヘッドライト周辺の作業
まず赤丸部分のネジを左右1箇所ずつ外しヘッドライトカバーを開く。これは電源取出しのために必要な作業。
更に青丸部分のボルトを左右1箇所ずつ外しヘッドライトの固定を解除する。これは後ほどメーターステーやメーター本体を装着するための作業スペース確保のために必要な作業。
赤丸部分のネジを外してヘッドライトカバーを開いたところ。私はUSB電源をヘッドライト内のサービスカプラーから取出ししており、そこから延長するかたちで電源取出ハーネスを接続する。(簡単に言えば、準備されている空きカプラーに電源取出ハーネスをカチャッとはめるだけ)
メーターの取り付け
まず、メーターステーにグロメットを装着する。グロメットと言うと分かりにくいが、シンプルに言えば「ゴムでできた振動吸収のためのクッション」のこと。
続いて、↓の赤丸部分にあるボルトを2つ外すと純正のメーターステー(ここでは装着するメーターステー↑と区別するため「純正メーターステー」とする)がトップブリッジから外れる。ヘッドライトを外して作業スペースを確保してはいても、ボルトを取り外す作業スペースが結構狭い。
元々は、上からトップブリッジ→純正メーターステーの順で固定されているが、新たに装着するメーターステーをこれらの間に挟み込む。狭くて作業しづらいが、ヘッドライトを戻すと作業できなくなるので、ここでしっかり固定すること。後々、緩んだりしたら目も当てられない。
グロメットに段付カラーを上からはめて、下からボルトでタコメーターを固定する。
取り付けるとこんな感じ。私はタコメーターのコードをメーターステーの(↑の写真で見て)左側を通したが、(同)右側を通した方が良かった。乗車姿勢で見ると、タコメーターのコードがメーターステーの上に乗っていて少し気になる。反省点!別の作業機会があれば修正したい。
このコードをヘッドライトケース内に引き込む。
信号取出ハーネスの接続
この作業が本日のハイライト。
説明書に記載されているとおり、まずはメインパイプロアカバーを取り外す。これはプッシュリベットだけで固定されているので、簡単に取り外せる。
ロアカバーを取り外して下から覗き込むと、赤丸部分にイグニッションコイルが確認できる。しかし、外装カバーに隠れていて作業しづらい!そのままでも作業できるようだが、私は「急がば回れ」ということで外装カバーを取り外して作業スペースを確保した。
右側サイドカバーは完全に取り外す必要はなく、固定を解除するだけで十分にスペースは確保できる。ただ、右側サイドカバーを緩めるためには、センターカバー、左側サイドカバーの順で取り外さないといけないので、結構手間がかかる。私はワンウェイバルブや補助ライトの装着作業で何度か外装カバーの取り外しを経験しているが、何度やっても爪を折らないかと気をつかう。
右側サイドカバーを緩めると、↑のようにイグニッションコイルの接続箇所(赤丸部分)が確認できる。写真は元々のコードを外した状態。ここに信号取出ハーネス(黄色のコード)を割り込ませる。
外装カバーを元に戻し、信号取出ハーネスをヘッドライトカバーまで配線する。
これで全て必要なコードがヘッドライトカバーに集約されたので、あとは説明書どおり(色分けされているので、同じ色のコードを接続するだけ)接続し、ヘッドライトを元に戻せば取付は完成。
最後に点火方式とシフトインジゲーター切り替えの設定が必要。点火方式は「1P-2r(クランク2回転1点火)」に設定し、シフトインジゲーターはとりあえず7,000回転で点滅するように設定してみた。詳細は説明書に記載されたとおりなので割愛する。
作業時間はトータル1時間30分ほど要したが、こういった地味な作業も楽しいと思える。
レビュー!
バックライトが白・青・橙の3色に設定できる。私は白を選んだが発色がとても良く日中でも視認性が高い。純正メーターにタコメーターが並んだことでコクピット感が演出され、見た目がたまらなく格好良い。
レスポンスがやや悪い感じはするが、アイドリング状態でスロットルを煽った時に感じるだけで、走行中の回転上昇・下降には何ら違和感はない。
タコメーターを装着したおかげで、ギア・速度・回転数の関係が可視化された。これにより、4速・60km/hだと4,700回転くらい(5,000回転には達していない)であること、5,500回転あたりから振動・騒音と速度上昇が比例しなくなる感覚があることが分かった。また一方で、7,000回転以上まで回せばそこそこの速度に達することも分かった。私は、感覚的に4,500回転〜5,500回転くらいを心地よく感じているらしく、それ以上の回転域はノイジーだと感じることが数値で把握できたことは価値があると思う。
想定外のメリットとして、ギア・速度・回転数の関係が可視化されたおかげで、これまで日に数回のペースで踏んでいた「幻の5速」に入れなくなった。何度も何度も「幻の5速」に入れようとするものだから、ギアポジションインジゲーターが欲しいと思っていたのだが、タコメーターがあれば不要なのかもしれない。
これで、今後のカスタムによる変化を定量的に比較できる?と期待している。
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