久しぶりにスニーカーを購入した。
購入したのは「NIKE AIR HUARACHE RUN ’91 QS」というスニーカー。2017年に復刻されてから3年が経過するため、店舗での購入は難しく、今回はメルカリを利用した。届いた商品は、上蓋がない状態で届いたのだけど、これってアウトレットでよく目にするスタイル?確かなことは分からないけど、海外のアウトレットで叩き売りされていたのかもしれない(笑)
何れにしても、商品は間違いなく本物(だと思う)のようで、傷や汚れなど一切ない綺麗な状態だった。復刻版に付属していた「Have you hagged your foot today?」と書かれたピンもきちんと同梱されていた。
私は、このエアハラチのオリジナルが発売された1991年に中学生になりバスケ部に入部したこともあって、ナイキのスニーカーはバッシュに限らずどれも憧れの存在だった。それから高校〜大学と、まさに90年代が私にとっての青春と言えるほどに多感な時期を過ごした。
その頃の印象に残っているシューズの一つが、今回購入した「エアハラチ」だ。中学生にとっては高嶺の花だったし、そもそも通学は白の安物スニーカーが指定され、休日はなんだかよく分からない靴を履いていた私が、当時この靴に憧れたかというと嘘になる。部活で履くナイキのバッシュをお年玉や小遣いを工面して、どうにかして手に入れるのがやっとだったから、普段履きにお金をかけられるような立場じゃなかった。
当時はウィメンズカラーとして発売されたこのモデル、ピンクとブルーの配色が印象的で、発売当時から30年近く経つ今でも、古めかしさを感じないデザインではないだろうか。世代によるバイアスがあるのでは?と思い、参考に我が子たちに印象を尋ねてみたが、古さは感じず、最近のスニーカーだと思ったとのコメント。
このエアハラチは、最近でも様々なカラーで復刻されており、今の若者たちもデザインを目にする機会があることも、古めかしく感じない要因の一つかもしれないが、何よりエアハラチのデザインが極めて前衛的だったことが、30年後の今でもデザインの陳腐化を招かない大きな要因だと思う。
履き心地をひと言で言えば「雲の上を歩いているよう」だ。「無上の心地良さ」と言えるほど、ソールの柔らかさは特質すべきもの。ナイキの公式ホームページには、次のとおり紹介されている。
レザーのオーバーレイと伸縮性に優れたネオプレン製のインナースリーブが足を包み込む。さらに、名高いヒールケージが快適なフィット感をプラスし、ハラチを世に知らしめた履き心地を生み出す。
ネオンプレン製のインナースリーブと言われる「レオタード」のような素材が、適度なフィット感で足を包み込む。靴紐で固定する履き心地と違い、絶対的な安定感には欠けるものの絶妙に優しい包み具合がたまらない。ソールはふわふわとして、かかとが着地するたびに心地よいクッション性能を感じられ、足を前に出すのが楽しくなる。そのうえ抜群に軽く、言うならば「分厚いソールが付いた靴下」で歩いているような感覚だ。
こちらで紹介したニューバランスのM990V4も優しい履き心地が特徴だが、これと比べてもソールは格段に柔らかい。ソールの硬さを10段階(10が最も硬い)で表現するならば、革靴を10とすると、M990V4が5〜6でエアハラチは2〜3といったイメージか。
ただ、M990V4が硬くて駄目なのかというと決してそうではなく、長距離を歩く場合などはM990V4の適度な柔らかさは、ソールの安定感に繋がり、疲労が少ないと感じる。街中であっても、凸凹やちょっとした砂利、微妙な傾斜がある訳だから、そういう道を延々と歩くような場合、M990V4の安定感は魅力だと思う。その点、エアハラチは短距離を快適に移動するようなシーンに向いていると感じる。
エアハラチの耐久性は分からないが、印象としてはM990V4よりは低いかもしれない。これは印象でしかないのだが、ソールの柔らかさゆえに、ウレタンのヘタリや経年劣化が起こりやすそうだ。改めて、M990V4は価格差に見合っただけの丁寧かつ堅牢な作りだと思う。
とは言え、平日は革靴を履き、スニーカーは週末にしか履かない立場だし、そのうえバイクに乗る時は絶対に履かない訳だから、耐久性が問題になるようなこともないと思う。
とにかく、エアハラチはインナースリーブに足を入れた瞬間から、心地良さに包まれるとっても魅力的なスニーカーだ。
今回購入したカラーは復刻から3年近くが経過しており、同じものは手に入りにくいけど、幸いなことに色違いのエアハラチは、今も時々ナイキから発売されることがある。この感動的な履き心地を今も味わうチャンスがあることは、幸せなことだ。こいつがヘタってきたら、きっと色違いが欲しくなるだろうなと、今から思っている。
これから暑い季節がやってくると、ハーフパンツにTシャツといったラフなスタイルに、ちょっとしたアクセントとして派手目なカラーがよく似合うと思う。今年の夏は、こいつを履き倒したい。
決して懐古主義などではなく、90年代を知らない若い世代の人たちも、きっと満足できる履き心地だと思う。エアハラチには2020年を迎えた今でも受け入れられるほどの魅力があると思う。
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