記事にしようか迷ったものの、ひとりのバイク乗りとして事故の経験を他のライダーにシェアしておくことは必要だと思ったし、自身の備忘としても記録しておくべきだと思い、記事にすることにした。
10月1日、仕事から帰宅してちょっとだけ走りに出かけた。正直、風呂にも入って夕飯も食べた後だったので、少し面倒な気もしたけど、翌日から雨予報だったこともあって、今しかないと意を決して外出。
近所を40分くらい流して、「あー、やっぱりボンネは最高だな。夜風が気持ち良いな」と満足して帰路についた。
そんな矢先に事故に遭ってしまった。
自宅まで数百メートルに迫った信号で、右折車線で停車していた。信号が青に変わり、前の2台が発進するのを待っていたところ、突然ミラーに勢いよく迫る後続車のライトが見えた。
一瞬のことだった。
ドンッ!と後続車に激しく追突され、ボンネは右前方に押し出され、私は右に倒れたボンネに足を挟まれながらも倒れずに持ちこたえた。
相手方はすぐに車を降りてきて、「すみません、すみません」の連呼。被害者の私が警察を呼びましょうと言っても「すみません!」と謝るばかりで、どうして良いか分からない様子。私を介抱する訳でもバイクの退避を手伝う訳でもなく、立ちすくむだけ。私はヘルメットとグローブを外し、自ら110番通報。
通報後、警察を待ちながら相手方にハザードを出すよう指示。私は体が痛む中、バイクを起こして安全確認のうえ近くの駐車場に退避。その後、相手方も車両を移動。
10分ほどして警察が到着。
ひと通り、事故の状況を説明して供述調書に拇印させられ、相手方と連絡先を交換して解散。
正直、警察官の対応には不満を感じた。極めて事務的で、停車中に追突され完全に被害者の私に対して「勤め先はどこか」「携帯電話を触ってなかったか」「同乗者はいなかったか」と呆れるような、そして極めて定型的なことを聞いてくる。その上、事故直後で自分の怪我の状況も、バイクの破損状況も明らかでない中、相手方と「示談にするか、事故扱いにするか」と聞いてくる。「事故扱いにする場合、少しお時間かかりますけど?」と他の警官に背中を向けて小声で囁かれた時は寒気を感じさえした。挙げ句の果てには、「印鑑はあるか?なければ拇印を。」と黒いインクでまるで犯罪者のように調書に拇印を求められた。
自分自身もサラリーマンだから、警察官の気持ちは分からないでもない。夜間の事故対応は面倒だろうし、危険も伴う仕事だ。警察として当事者にイーブンでもあるべきだろう。業務上作成しなければならない書類もあり、そこには疑問に感じるような項目があるのかもしれない。その点に関しては、警察官の立場を理解できる。ただ、当事者にとって、交通事故というものは人生に何度とない不幸な経験なのだ。事故現場に場慣れしてしまい、加害者・被害者が感情ある人間であることを忘れていないか?調書の作成において、状況に応じた判断を放棄しているのではないか?と感じた。当事者はこれから何をしなければいけないか、どうなるのか不安なのだ。定型の書類を漫然と事務的に記入するだけの仕事は残念だと感じた。
警察官は、「あとはお二人でよく話し合ってくださいね」と爽やかに言い残し、さっさと蜘蛛の子を散らすように解散。事故処理車と数台のパトカーが来てたのに、気づけば事故処理車だけになってていて、相手方も去った後、壊れたバイクと体の痛む私だけが残され途方に暮れた。
保険会社にレッカーを依頼しようと連絡したものの、40〜50分は待たなければならないとのことだったので、早く帰宅したい一心から恐る恐る自走で帰宅。帰宅後、妻の運転で救急病院を受診。夜間の診断書発行はできないとのことで、翌日再び受診したところ腰椎・頚椎の捻挫、右膝関節打撲との診断。右膝には痛々しい打撲痕が残り、左足のスネにはシフトペダルに引っ掛けたと思われる3cmほどの裂傷もある。
バイクは、後部と右側に損傷が集中していて、リアフェンダ歪み、テールランプ・リフレクターの割れ・右フロントウインカー脱落、ブレーキレバー折れ、右ミラー・右グリップエンド・ブレーキペダル・マフラーの擦り傷が主な被害。
翌日(10月2日)、当方の保険会社に事故状況を報告したところ、相手方に連絡してくれることになり、相手方の保険会社からの連絡を待つよう指示を受けた。結果、事故から3日経って、10月4日にようやく相手方の保険会社から連絡。相手方から事故の連絡が入るまでに2日を要したらしい。今回は、停車中の追突ということでバイク・怪我の補償は相手方の保険会社で対応してもらうこととなった。
こちらとしては、とにかく後遺症なく怪我が完治してくれること、金銭的な負担なくボンネが完全復旧されることを祈るばかり。
事故から数日間は「納車から10日しか経っていないのに、こんなことって起こるんだな」と妙に冷めた頭で考えていた。よく「納車直後にディーラーからの出発したところで転倒(事故)」とか、嘘のような話を耳にするけれど、自分自身に同じような出来事が起きて、改めて事故はある日突然起こるものだし、決して他人事じゃないと痛感した。
事故後の処理、事故を経験して考えたことは改めて記事にしたい。
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