突然ながら、PCX125を手放した。
2013年6月に購入してから8年間、雨の日も風の日も主には通勤手段として活躍してくれた。平成30年7月豪雨の日も、雨の中を恐る恐る帰宅したことを思い出す。
2007年にマジェスティSを手放してから6年ぶりにバイクを所有した私にとって、バイクに乗ることとメンテナンスの楽しさを改めて教えてくれた大切な相棒だった。
購入後間も無く、山口県の周防大島へソロキャンツーリングに出かけたり、子供を乗せて近所を走ったりしたことは忘れられない思い出だ。会社の先輩がツーリング先でメットインにキーをインロックして大変な思いをしたことも思い出深い。毎日の通勤時間を心地よく過ごすことができたのは、PCXのおかげだ。
また、外装交換やブレーキキャリパーのオーバーホール、駆動系メンテナンスなど、それまでの私には考えられなかったような難しい作業も経験させてくれた。不器用な私にいじくり回されて不愉快だったことだろう。おかげさまで私は、メンテナンスの楽しさや充実感を味わいながら多少のスキルアップを果たせたと思う。
結果、走行距離は伸びず24,000kmほどだったけれど、共に過ごした時間は8年間ととても長く、深い愛着のある一台だった。ありがとう、PCX!
そんな愛着のあるPCXではあったけど、フルカウルスクーターゆえのメンテナンス性の悪さや、オーバーホール後もやや引きずり気味なフロントキャリパーが気になり、これ以上お金と手間をかけるのは得策ではないと考え、手放すことにした。
皮肉なことに、PCXがきっかけを与えてくれたバイクライフを通じて、SR400やBonneville T100のような個性と味わいのあるバイクが好みだと自身の志向がはっきりとしてきた今、PCX125の近未来感あるデザイン(いや、11年前のデザインなんだけど)とシティコミューター然とした変哲のない乗り味(いや、シティコミューターだから当然なんだけど)に「これじゃない感」を覚えるようになった、というのがおっさんの面倒くさくてややこしい自己分析だ。
愛着あるPCX125は、ずいぶんクタクタになってはいたけど、5万円で買い取ってもらえた。3世代も前のモデルに5万円の値がつくことには驚く。下手すりゃ回収費を取られたっておかしくない。このPCXは購入当時28万円(諸費用込み)で購入したので、車両代として8年間で23万円を要したことになる。つまり28,750円/年、2,400円/月、80円/日という計算になる。実際の維持には保険料や税金、ガソリン代、メンテナンス費用等が必要となるものの、イニシャルコストとしては驚異的なコストパフォーマンスではないだろうか。
ドナドナされていった我が愛車PCXの今後の運命や如何に。幸あれ。
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