CT125・ハンターカブ。軽快な乗り味、趣味性の高い外観、頼もしい積載力…などの豊富な魅力で売れに売れまくっているようだ。ハンターカブを購入してから1年3ヵ月が経ち、いよいよ走行距離も6,000kmに到達したところ。
ハンターカブの魅力をあげればキリがないのだが、私にとっての大きな魅力のひとつに「燃費の良さ」がある。給油のたびにいわゆる満タン法で燃費を記録しており、これまでの通算燃費は53.85km /L(2022年9月7日給油時点)となっている。(これまでの給油ごとの燃費記録は以下を参照↓)
使用環境や乗り方によっては、もっと低燃費を記録しているオーナーもいらっしゃるかもしれないが、私にとって通算でリッターあたり50kmを超えている時点で、もう大満足なのだ。そこで今回は、ハンターカブの燃費について触れてみたい。
最高と最低。
これまでの最高記録が60.93km/L(2021年8月1日給油)なのに対し、最低記録は45.83km/L(2022年1月14日給油)となっている。燃費の良いハンターカブと言えども、環境によってここまで記録が上下するのかと、1年3ヵ月間の記録を振り返ることで、改めて気付かされる。
仮に5Lのガソリンをタンクに入れてよーいドン!とスタートした場合、ガス欠を迎える地点に75kmもの差が生じることになる。同じバイクを同じ人間が運転して、だ。
では、最高記録と最低記録の違いは何によって生じるのか考えてみた。
可能性1:満タン法の誤差による違い
そもそも満タン法は、区間走行距離を給油量で除すため、給油量による誤差が生じやすい。当たり前のことだが、ギリギリまで給油すれば燃費は悪くなるし、余裕を持って給油すれば燃費は良くなる。だから、一回ごとの燃費をそれぞれ比較するよりも、一定期間における複数回の給油記録によって通算の記録を見るほうが向いているのだと思う。
ただ、それにしても上記の最高・最低記録が「満タン法の誤差による違い」で生じたと考えるには、さすがに大きすぎる。基本認識として、燃費を測る際に満タン法では誤差による違いが生じることは否定できないが、今回の最高・最低記録の差の主たる要因になったとは言い難いだろう。
可能性2:道路状況等による違い
主に通勤の用途で走ることが多いハンターカブ。朝の通勤環境は、信号待ちが多くストップ&ゴーが多い。基本的にゼロスタートの時に瞬間燃費が最も悪化するはずだから、区間走行距離に占める通勤の割合が高いほど、燃費は悪化するはず。言い換えれば、週末の空いた時間帯に田舎をツーリングすればストップ&ゴーが少なく、一定の速度で走り続けることが多いため燃費は良くなる。
ちなみに、メモを振り返ると、最高記録のときには「離島でプチツーリングを楽しんだ」とある。恐らく100km以上を走ったと思われる。一方で、最低記録は時期的に仕事が年間を通じて最も忙しい時期のことであり、かつ寒さもあって区間走行距離に占める通勤の割合が高い(ほとんど余暇として走ってない)ことが想像できる。
感覚的に、週末にR100RSに代わってハンターカブでブラっと早朝ツーリングに出かけると、次の給油では記録が良くなる印象はあり、道路状況等によって生じる燃費の違いはそれなりにあるのだと感じている。
可能性3:外気温による影響
個人的に、外気温による影響が最も大きいと思っている。そのことを裏付けるために、燃費記録をグラフ化してみた。
気象庁ホームページから引用した月別の平均気温と、月別の平均燃費とを2軸グラフにすると上記のとおりとなり、相関関係にあることが一目瞭然だ。若干、平均気温と平均燃費の記録にズレが生じているように見えるのは、燃費記録が月の途中に不定期に訪れる給油日をもとに、便宜的に「◯月分」として振り分けていることも影響していると思われる。
では、外気温に燃費記録が影響される要因は何か。色々と調べてみて、個人的にハンターカブの燃費への影響が大きいと思われるものを挙げてみる。
空気密度が変化するから
空気は温度が下がると密度が高くなるため酸素濃度が高くなる。O2センサーが排気ガス中の酸素濃度を測定し、酸素が残っていれば「燃料が薄い(酸素が濃い)」と判断し、ガソリンの噴射量を増やすため、外気温が下がるほどに燃費は悪化する。
この外気温に伴う「空気密度の変化」という要因は、エンジンの始動からストップまでずっと影響を受け続ける訳だから、燃費への影響も大きいと想像する。
アイドルアップするから
外気温が低いということは、エンジンも冷え切っているということ。そうなると、始動後にはエンジンを早期に暖めるために自動的に回転数が上がり、そのためにガソリン消費が増えて燃費が悪化する。
ただ、アイドルアップが生じるのはエンジンが暖まるまでの時間に限られているから、燃費への影響は限定的だと思う。
オイルが固くなるから
エンジンオイルは、エンジン内部を保護する一方、抵抗にもなる。外気温が低いとエンジンオイルの粘度が高くなり、それだけ抵抗が強くなるため、その結果として燃費が悪化する。
これも、アイドルアップと同様に始動直後のわずかな時間しか影響しないから、燃費への影響は限定的だと思う。
まとめ
以上、CT125・ハンターカブの燃費について考察してみた。
特に、外気温による影響に関する考察部分はド素人の考えなので真偽のほどは定かではないが、個人的にはこれらが複合的な要因となって冬場の燃費悪化を招いているのだと思っている。通勤での利用の場合、朝夕の特に気温が低い時間帯に走ることがほとんどであるため、燃費への影響は自ずと大きくなるのだろう。
空気密度が高くなることについては、「空気密度が高くなることによって出力が上昇するため、アクセル開度が低くなり燃費の悪化には繋がらない」という意見もあったため、真相は分からない。ただ、上記のグラフからも冬季の燃費悪化は明らかなわけで、何らかの要因が働いていることは間違いない。
ガソリン価格の高騰が続く中、ハンターカブの燃費の良さは本当にありがたい。ただ、いくら低燃費なハンターカブといえど、このままガソリン価格が高騰し続けるのは、バイク乗りにとって辛いところだ。
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