結局、長い戦いになった。今回は「電装系不具合」に関する第2弾であり、完結編。
前回までのあらすじはこちら。
1月末の不具合発生から、気づけば2ヵ月以上が経過し、いよいよ解決することができたのでご報告。それにしても長かった。正直、心が折れまくって、ここのところは修理する意欲が湧かずにいた。ほんの少しだけ「もう2度とR100RSで走れないんじゃないかな」と思わなくもないほどに弱気になっていたのだけど、何とか困難を克服することができて本当に良かった。
オルターネーター購入
前回も書いたように、都合良く脳内整理をつけ、大枚を叩くことを決心した私。R100RSを購入してからのメンテナンス費用としては最大の出費。こっそり言っちゃうと約10万円。今回の修理にちまちまと出費がかさみ、自由になる小遣いも底が見えてきて(涙)思い切りが必要だった。
届いた一式。必要なボルト類のほかにノギスなんかも付属していて、親切仕様。日本語のマニュアルも同梱されていてありがたい。
早速、取り付けを開始。この時点で鼻歌混じりの私だったのだが、すぐに問題発生。ステーターリングは105mmと107mmの2種類が同梱されていて、年式に応じて使い分けるようになっている。付属のノギスで測ろうとしたところ、なんとノギスがスライドしない!樹脂がくっついたポンコツノギスだったのだ。不幸にも手持ちのノギス(安物)は最大100mmまでのもので、ステーターフレームの内径が測れない。この時点で、落ち着いてノギスを調達するなどすれば良かったのだけど、はやる気持ちを抑えきれず、「何とかなるっしょ」と105mmのステーターリングで作業を進めてしまった。ローターとステーターを取り付けた後、外側のステーターリングを固定しようと3本のボルトを締めていくと、どうも上手くいかない。もう一度やり直すためボルトを外そうとしたところ「パキン」という嫌な音とともにボルトが折れてしまったのだ。もう冷や汗ものだ。
折れたボルトの摘出
さて、どうする?折れたボルトは、ネジ穴から1cmほど飛び出た状態。ホームセンターで逆タップやネジザウルスを購入して試してみたが、どれもダメ。びくともしない。もうお手上げ。泣きそう。
これはタイミングチェーンカバーを交換か!?とヤフオクやeBayを彷徨った。国内では中古品も含めて流通しておらず、購入するにはeBayで海外から調達せざるを得ない。価格は1万円程度だが、見た感じ状態がそれほど良いものはなく、そのうえ送料が結構かかる。オルタネーターの購入に大枚を叩いた直後であり、出費マインドが低下していたこともあって、少々腰がひける。
さて、どうしたものか。
ふと、近所の知り合いのことを思い出す。確か自動車修理のお仕事をされていたはず。かくかくしかじかの事情で困り果てており、可能ならばお助けいただきたいと相談。一応、最後の手段として中古品を調達できるので、壊してしまっても良いと申し添え「ちょっとやってみましょう。」とのありがたいお言葉に感極まりそうになる私。
ありがたいことに、仕事の合間を縫って色々と試してくださり、「できました!」の連絡をいただいたのが3月の上旬のこと。
見事に折れたボルトが摘出されていて、丁寧に梱包までしていただいた。感謝してもし切れません!ありがとうございました!
取り付け作業
ルンルンで作業を再開。マニュアルには、丁寧にこことここを接続してね!こことここも接続してね!と書いてあるのでフムフムと接続していく。難しいのはケーブルのルーティング。どこをどう通すとスマートか、などと考えて進めるとそれなりに時間を要するが、これまでのことを思えばなんて事はない。
学びを活かして購入したデジタルノギスも使いながら順調に作業は進む。
が、ここで再び問題発生。
マニュアルに「点火コンデンサとイグニッションコイルのマイナス端子を接続します」とあるのだが、点火コンデンサが見つからない。我が愛車R100RSを隈なく眺めても、どんなにインターネットで検索しても、「点火コンデンサ」が年式によっては「あったり」「なかったり」するのかどうかさえ分からない。
ここで一旦、作業終了。心が折れた。
完成
ここへきて、二進も三進もいかなくなり、いよいよ投げ出したくなってきた。
春休みの家族旅行やキャンプのために数週間のブランクを経て、少し気分もリフレッシュ。この間、ずっと頭の片隅にどうしたものかと不安がつきまとう。
さて、マニュアルには記載があるけど、どう探したって無いものはないのだから、まずは始動できるか試してみようと一念発起し、土曜日にバッテリーをフル充電。翌日、ダメもとでバッテリーのマイナス端子を接続してセルを回してみたところ、「キュルキュルキュル〜」と動くではないの!?もう歓喜の一瞬。泣きそう。
はやる気持ちを抑えながらセルカバーやエアフィルター、ガソリンタンク、外装などを落ち着いて丁寧に戻していく。そして、いよいよエンジン始動にトライ。すると、元気いっぱいにエンジン始動!オルタネーター交換の効果か、以前よりも始動性が良くなったような気がする。
2ヵ月ぶりにも関わらず、R100RSは意外にもすぐにアイドリングが落ち着き、状態の良さを感じる。あー、感動。やって良かった。じわじわと喜びがこみ上げる感覚はクセになりそうだ。
試走
試しに近所を試走。
発電能力の高さはさすがで、アイドリングでも電圧計は14V以上を指している。明らかにバイクが元気になった気がするのは気のせい?苦労があまりに大きかっただけに、プラシーボ効果かも?と思ったり。
また、オルタネーターからこれまで聞いたことのないヒュルヒュルという音が聞こえ、気分が高まる。
あー、完璧だ。サイコーだ。
これまで、ガソリン漏れ対策、キャブレターのオーバーホール、オイル漏れ対策と素人の私にとっては思い切りのいるメンテナンスを続けてきたが、今回は特別に苦手な電気系統のプロジェクトであり、分からない事だらけで不安しかなかった。
こうやって、高い壁を乗り越え、復活させることができR100RSへの思い入れは深まるばかりだ。
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