CT125・ハンターカブを購入して1年が経った。先日、走行距離は5,000kmを超えたところ。購入から1年が経ったのを機に、これまでのカスタムを振り返り、記録として残しておきたい。
ちなみに、カスタムと言うと、人によっては「唯一無二」の個性を表現するものかもしれないが、こうして振り返ってみると、私の場合はほとんどが「快適性と利便性の向上」を目指したものだと気づく。
個性全開!のカスタムネタとは一線を画すものの、実用重視の未公開ネタもいくつかあるのでご覧いただきたい。
利便性の向上
では、まず最初に利便性の向上を目的としたカスタムをご紹介する。もはや、当たり前過ぎて、今となっては「あ〜、便利だなぁ」なんて改めて思うことはないけれど、日々の通勤や日帰りツーリングでなくてはならない存在だ。
延長キャリア
ハンターカブには巨大なリアキャリアが装着されており、多くのユーザーがリアキャリアにボックスを鎮座させるスタイルをとっているのではないかと思う。追加の出費も不要なうえに安定性も抜群で間違いのない選択だと思う。しかし私は、ハンターカブを購入した時から、日常の足としてタンデムでの利用も想定していたため、納車後すぐに延長キャリアを購入・装着した。
購入から1年がたった今でも、当時の選択は間違っていなかったと思う。タンデムと荷物積載の両立を図ることができ、ハンターカブの魅力を一層高めていると思う。後方への突き出しがそれなりに大きいが、これまでグラつきなど脱落の不安は一切ないし、しっかり安定している。純正のリアキャリアよりも数センチほど高くなっているため、リアテールライトの視認性を損なわない点も◎だ。
タンデムができるうえに、キャンプツーリングでは純正リアキャリアにも十分な荷物を積載でき、ハンターカブの魅力を余すことなく堪能できる仕様だと思う。
JMSラゲージボックス
ボックス選びにも悩んだ。GIVIのトレッカーアウトバックシリーズなんて無骨で最高にカッコいい。それにしても価格が高過ぎる。
悩みながらも結果的に選んだのは、飾り気のないシンプルなデザインが売りのJMS製ボックス。細かなキズは避けられないが、1年が経った今もなんら不具合なく我が荷物を飲み込んでくれている。余裕の収納力で、駐車時にもヘルメットとジャケットを収納でき、出先でも安心して置いていける点も魅力のひとつだ。
個人的には、シンプルな漆黒の躯体が車両全体のブラックパーツと統一感があって、とてもマッチしていると思う。
補助ライト
電気の知識が皆無と言える文系中年オヤジの私が取り付けに最も苦労したアイテム。でも、とっても安く仕上げることができ、そのくせハンターカブの弱点克服度マックスで、ここで紹介する全アイテムNo1の満足度と自信を持って言える。
夜間走行中に補助ライトをオフにしてみると、純正ライトだけでは「自転車かっ!」と突っ込みたくなるほどに暗いことを再認識する。いや、イマドキの自転車に失礼かもしれない。それくらい純正ライトだけでは暗く、「補助ライト」とは言いながら完全に主従逆転の関係にある。
個人的に、ライトオフの時のデイライト(イカリング)が前方からの見た目をシンメトリーに整えてくれるアクセントになっておりとても気に入っている。
今やこの明るさが当たり前になってしまい、もし壊れでもしたら買い直し必至だ。
タコメーター
ハンターカブは4速・時速60kmくらいでも思った以上に回転数が高いため、納車後しばらくはありもしない幻の5速に入れようとすることが頻繁にあった。ハンターカブの速度域と回転数(振動と音)の相関関係にはなかなか馴染めず、当初はシフトインジゲータを装着しようと考えたのだが、コクピットの見た目的に左側のスペースに収まりの良いタコメーターを装着すれば利便性と見た目の向上を両立できると考えた。
今となっては「無くても良いけどあると便利」なアイテム。これのおかげで幻の5速に入れようとする機会は激減した。何より、専用ステーが付属して収まりがナイス!
USB電源
日々の通勤で使うことは一切ないが、たまの長距離ツーリングで活躍するアイテム。日常では、良い意味であることを忘れてしまうほどに収まりが良く、もはや純正品レベル。ゴム製のカバーがしっかりした作りで雨中の走行でも不安感がない。
イマドキ、バイクにUSB電源は必須アイテムだと思う。
走行性能の向上
続いて、走行性能の向上を目的としたカスタムをご紹介。「走行性能の向上」といっても125ccのカブには限界があるから、「より速く!」とか「よりパワフルに!」といったものではなく、ノーマルよりもちょっとだけ気持ちよく走れるように実施したもの。
マフラー
実は、ブログで紹介しようと思いながら、今まで紹介できずにいた社外マフラーへの交換。2021年12月に交換してから既に半年が経過している。
ノーマルだと抜けが悪くて「高速域(と言っても時速60km以上)の伸びが足りないなぁ」と感じていた。マフラー交換では根本的な解決策にはならないと思いながらも、純正よりも抜けを良くすれば、もう少し気持ちよく走れるのでは?と目論んだ。
数あるハンターカブの社外マフラーの中から、私が選んだのは↓のもの。
久しぶりに調べてみると、2022年4月に従来のスチール製からステンレス製になって耐久性や耐食性が向上したようだ。恐らくスチール製と比べて軽量にもなっているのだろう。その点で、製品の魅力は向上しているが、どうやら値上がりしたようで、その点は残念。ただ、依然として他の社外マフラーよりは安価。
ヨシムラやモリワキのマフラーも検討したが、ハンターカブはアップマフラーなので、タンデム利用のことを考えると純正のしっかりしたヒートガードを流用できるほうが良いと思い、最終的にはノーマル然としたタケガワのスポーツマフラーを選んだ。
正直なところ、交換直後は明らかにノイジーになったことが気になった。純正の静かなマフラーが、どこか牧歌的なハンターカブの印象とマッチしていて気に入っていただけに、後悔がゼロではなかったが、半年も経つとむしろ単気筒らしい歯切れの良い排気音が心地よく感じるようになってきた。
肝心の「抜けの良さ」は明らかに純正を上回り、「レスポンスの向上」も図ることができた。おかげで、時速60km以上のスピード域でも「つまる」ような感じがなく、スーッと加速できるようになった。まさに狙いどおりの結果となり、今ではとても満足している。
T-REV
車でもバイクでもエンジンブレーキを多用する私。直線道路を走りながら、不用意に(意味不明な)ブレーキを踏むことに強い抵抗がある。そんな私は、ハンターカブでも同じようにエンジンブレーキを多用するのだけど、自動遠心クラッチのハンターカブでは、ブリッピングを上手く使わないとシフトダウンの際に強烈なエンジンブレーキがかかってしまい、とても乗りにくい。
調べてみたところ、「クランクケース内圧コントロールバルブ」というものを装着すると、エンジンブレーキの効きが弱くなると知り、早速購入したのがこちら。
装着は簡単。純正のブローバイホースをカットして、間に正しい方向で装着しホースバンドで固定するだけ。装着後、走ってみるとエンジンブレーキの角がとれた感じで、明らかに効きがマイルドになった。その他に、エンジンフィールやシフトフィールの向上といった効果もあるようだが、交換から半年が経ち、その違いは分からなくなった(笑)。
クランク内を負圧にすることで、エンジン内部の空気密度が薄くなりエンジン回転時の抵抗が軽減されるという理屈だから、きっと燃費の向上にも貢献しているのだろう(と思う)。
さすがに、T-REVを装着するだけで「自由自在にエンジンブレーキ」というほどの変化はなく、相変わらずブリッピングを上手に使う必要はあるが、間違いなく乗りやすさの向上には貢献している。
メンテナンス性の向上
ハンターカブは比較的メンテナンス性の高いバイクだと思う。乗るだけでなく、セルフメンテナンスも楽しめる最高の相棒だ。
シールチェーン
純正のノンシールチェーンは頻繁に洗浄・注油を強いられるうえ伸びが早くメンテナンス頻度が高いと感じた。もちろん、メンテナンスそのものを楽しむことをモットーとしてはいるが、通勤で雨中の走行も強いられる環境下で、駆動系の要とも言えるチェーンは、できるだけ外部環境の影響を受けないほうが安全面や経済性の面で良いと考えた。
交換後、すぐに気付くのが明らかに静かになったこと。これまで無意識に耳に入っていたシャラシャラというノイズがなくなった。交換に合わせてたるみを調整したことも一因だとは思うが、ノンシールチェーンとの構造的な違いによって静かになることは想像がつく。音=抵抗だと思うので、燃費の向上にも期待しているところ。交換後の変化については、気づきがあれば別途ご紹介したい。
外観の見た目向上
実用性重視のカスタムがほとんどを占める中で、少ないながらも外観の気になる点をいくつか改良したのでご紹介したい。完全に個人的な好みでしかない。
ハンドルブレース
本来「利便性の向上」で整理するのが自然だが、せっかく装着したハンドルブレースにはスマホホルダーを付けているだけ。正直なところ「利便性が向上したか」と問われれば「否」となる。スマホホルダーだけならハンドルバーにだって装着できるだろうから。
でも、やっぱりママチャリと見間違うかのようなハンドルバーは、個人的には格好悪いしなんだか安定感がないように感じる。そんな私にとって、ハンドルブレースは見た目の変化という効果が最も大きい。今更、ハンドルブレースのない姿には戻れない。
スポークラップ
個人的に、マットフレスコブラウンのハンターカブは少々無骨なくらいがちょうど良いと思っている。そんなイメージと照らすと、純正のままのステンレススポークは細くて弱々しい。
完全に主観でしかないのだけど、ブラックのスポークラップを装着することで、全体の雰囲気が逞しくなったように思う。
サブフレーム
これもスポークラップと同じ発想。純正のサブフレームは細くて弱々しい。絶対にそんなことはないのだけど、ポキッとイキそうな弱々しさだ(絶対にそんなことはない!念のため)。
その点で、主張の控えめな純正のサブフレームからタケガワのサブフレームに交換すると、パイプ径が太いから逞しい姿に変身する。前方からのシルエットも純正はやや台形ぎみなのに対し、タケガワのサブフレームはやや張り出しがあり主張する。
まとめ
今回、購入から1年が経ったのを機に、1年間ちまちまと重ねてきたカスタムをまとめてみたが、こうしてみるとそれなりにお金も時間もかかっているなぁと改めて気づく。限られた原資をR100RSとうまく配分しながら付き合っていかなければならないが、ハンターカブのパーツ類はそれほど高価ではないので何とかなっている。
それにしても、本当に楽しい乗り物だ。特に私にとっては、「こうしたらもっと便利だな」とか「こうすればもう少し乗りやすくなるかな」などと考えて過ごす本当に時間が楽しい。
これからも少しずつ、カスタムを重ねて楽しんでいきたい。
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